横浜美術館開館30周年記念/横浜開港160周年記念 絵でたどるペリー来航
伝 ペーター・B.W. ハイネ《ペルリ提督横浜上陸の図》(部分) 1854(嘉永7/安政元)年以降
油彩、カンヴァス 53.3×80.5cm 横浜美術館蔵(原範行氏・原會津子氏寄贈)
展覧会概要
小さな横浜村にペリー艦隊の一行が上陸した場面《ペルリ提督横浜上陸の図》は、横浜開港につながる歴史的瞬間を描いた作品として、これまで横浜美術館のコレクション展においてもしばしば展示されてきました。国際都市・横浜のはじまりの物語として、開港160周年を機に取り上げるにふさわしい作品です。
伝 ペーター・B.W. ハイネ
《ペルリ提督横浜上陸の図》(部分)
1854(嘉永7/安政元)年以降
油彩、カンヴァス 53.3×80.5cm
横浜美術館蔵(原範行氏・原會津子氏寄贈)
本展では、石版画、水彩画、油彩画という異なるメディアで同じイメージを描いた作品群と遠征記の記述などを比較し、写真と絵画といった視覚メディアが、どのように関連しあいながらペリーの日本遠征にかかる一連の記録画と記述を生み出していったかを検証します。
エデュケーター(教育普及担当)の企画した本展では、当時の横浜に想像を巡らせていただくような工夫として、さまざまな教育プログラムの実施や、展示室でのボランティアによるトークなども開催します。
エリファレット・ブラウン・ジュニア
《遠藤又左衛門と従者》
*重要文化財
1854年
ダゲレオタイプ(展示はレプリカ) 11.4×8.2cm
横浜美術館蔵
1854年3月8日の出来事が、演劇の場面のように細密に描かれた《ペルリ提督横浜上陸の図》は、ハイネが描いたとされています。ハイネはペリーが率いるアメリカの東インド艦隊の随行画家であり、描かれた図像はペリーの『日本遠征記』の挿絵として多数用いられています。
ハイネとともにエリファレット・ブラウン・ジュニアも画家・写真家として随行していましたが、当時の写真はダゲレオタイプ等であったため、露光時間が長く、上陸の瞬間を撮影することは不可能であったと考えられます。
ペリーが来航した当時、絵画は記録メディアの中心にあり、石版画は複製技術や出版文化と結びついて展開していた新しいメディアでした。
一方で、1854年3月8日を日本人はどのように目撃したのでしょう?さまざまな日本人によって描かれたペリー提督や乗組員たち、ペリー艦隊の絵を対比的に展示します。ここから当時の日本人の探究心や生き生きとした好奇心などを見て取ることができるでしょう。
展示構成
伝 ペーター・B.W. ハイネ
《ペリー日本遠征の石版画(下田上陸)》(部分)
1855年
リトグラフ 64.4×89.3cm
凸版印刷株式会社 印刷博物館蔵
1. 1854年3月8日/嘉永7年2月10日―横浜上陸の図をめぐってー
2. 琉球、旗山崎、久里浜、下田でのペリー艦隊
本展の特徴
《無款 黒船絵巻》(部分)
19世紀後半(江戸時代末期)
紙本着色 26.3×695.3cm
神奈川県立歴史博物館蔵 *会期中巻替えあり
本展を企画した、エデュケーターが担当する「横浜美術館教育プロジェクト」は、鑑賞をはじめとする美術館体験が、より豊かで多様となる機会の提供を目指し、2012年から始動しました。「教育プロジェクトチーム」が所管するボランティアは、当館コレクションの学習活動を基礎に、学校団体や一般来館者への鑑賞事業のサポートを行っています。
本展は、2017年度に教育プロジェクトが、横浜市立中学校の美術科と社会科の教員たちと協働して行った「授業案づくりと授業実施」を起点にしたものです。その折に制作した「《ペルリ提督横浜上陸の図》をめぐる授業案や鑑賞教材」を、中学校の授業で活用していただけるよう、学校教員への観覧も呼びかけています。
この展覧会は、《ペルリ提督横浜上陸の図》を中心に展開する構成が特徴です。加えて展示室内でボランティアによるトーク「展覧会・ココがみどころ!」を、会期中全44回実施します。本作品のみに着目した内容で、ボランティアそれぞれの視点を活かしたトークを実施します。
【2017年に作成した授業案】 *
横浜美術館ウェブサイトに掲載
(A) 〇〇中新聞特派員現地緊急取材報告 ~私は見た、ペリー提督が黒船から上陸した瞬間を!!~(美術科)
(B) 黒船来航の現場で取材した記者として新聞記事を書こう~徳川幕府は黒船にどう対応したのか!?~(社会科)
小冊子ダウンロード
基本情報
会期 | 2019年9月21日(土) ~ 11月10日(日)
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開館時間 | 10時~18時
*毎週金曜・土曜は10時~20時(ただし、9月27日~28日は21時まで)
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休館日 | 木曜日
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会場 | 横浜美術館アートギャラリー1 |
観覧料 | 無料 |
主催 | 横浜美術館[公益財団法人横浜市芸術文化振興財団] |
協力 | 有限会社デジアート |
関連イベント
スペシャル・レクチャー「ヴィジュアルイメージが伝えるペリーの日本遠征」(ペリー展)
ペリーの日本遠征に随行した西洋画家や写真家について、またペリー艦隊を目の当たりにした日本側の視点について、出品作品を中心にお話します。
日程 | 2019年11月2日(土)
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時間 | 14時~16時(13時45分開場) |
講師 | 嶋村元宏(神奈川県立歴史博物館 主任学芸員) 岡塚章子(東京都江戸東京博物館 都市歴史研究室長) 端山聡子(横浜美術館 主任エデュケーター/主任学芸員)
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会場 | 横浜美術館円形フォーラム |
定員 | 80名(申込不要、先着順) |
参加費 | 無料 |
展覧会・ココがみどころ!(ペリー展)
横浜美術館のボランティアが展覧会の魅力をコンパクトに紹介します。
日程 | 2019年10月8日(火)以降の毎週火曜日・日曜日 2019年11月4日(月・振休)
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時間 | いずれも11時~/11時30分~/13時30分~/ 14時~(各回10分程度)
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会場 | 横浜美術館アートギャラリー1 |
参加費 | 無料(申込不要) |
学芸員・エデュケーターによるギャラリートーク(ペリー展)
日程 | 2019年10月16日(水)、10月30日(水)
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時間 | いずれも14時~14時30分 |
会場 | 横浜美術館アートギャラリー1 |
参加費 | 無料(申込不要) |
デモンストレーション「石版画ってどんな技法?」(ペリー展)
日程 | 2019年10月19日(土)、11月9日(土) |
時間 | いずれも17時30分~18時30分
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講師 | 関淳一(横浜美術館主席エデュケーター)
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会場 | 横浜美術館アートギャラリー1
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参加費 | 無料(申込不要)
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