30年以上の活動の蓄積を踏まえ、新しい美術館の姿をどうつくるか。
2021年から3年以上に及ぶ工事休館のあいだ、わたしたちはひたすらこのことを考えました。
そこで見えてきた思いをあらわそうと、お客さまに向けたメッセージとして、またわたしたち自身の行動指針として、これからの美術館が目指すものを、「ミュージアムメッセージ」「ステートメント」「5つの願い」にぎゅっとまとめました。
国井 美果(くにい みか)
「みなとがひらく」というミュージアムメッセージは、一見とてもシンプルです。「横浜」で「みなと」、それは単に日本を代表する港町にある美術館だからというだけではなく、横浜美術館にしか言えないことを探った結果でもあります。館の新しい基本方針を定めた美術館のみなさんの胸には、これからの横浜美術館はよりいっそう、どんな人にもひらかれた場になるという強い意志がありました。それは美術館そのものがみなとであり、そこを訪れる人もまた、無限の可能性がひらくみなとであると言える。「あなたというみなとが、どこまでもひらく場所」でありますようにというその想いをまっすぐ、メッセージに表しました。港町にあるという宿命から逃げずに、何度も議論を重ねて強くしていきました。ここを訪れる人も、ここで働く人も、関わるすべての人にとって自分ごととなるメッセージであるといいなと思います。
<プロフィール>
コピーライター。立教大学文学部卒業。ライトパブリシティを経て、現在は個人事務所。コーポレートメッセージや企業広告、ブランドをつくる・磨くなど、社内外をつなぐさまざまな言葉やアイデアで企業や社会の活動に関わっている。主な仕事に、資生堂「一瞬も一生も美しく」、キリンHD 「よろこびがつなぐ世界へ」、伊藤忠商事「ひとりの商人、無数の使命」、UCC「ひと粒と、世界に、愛を」、絵本「ミッフィーとほくさいさん/美術出版社」など多数。