イタリアは古代以来の文化遺産に恵まれ、ルネッサンスのドナテッロやミケランジェロ、バロックのベルニーニなど、大彫刻家を輩出してきました。この展覧会は、20世紀のイタリア彫刻を40余作家、約60点で概観するものです。これらの作家たちは、ヨーロッパの同時代の芸術思潮を共有しつつも、ルネッサンス以前、あるいはギリシア的古典期以前にまで遡るイタリア独自の豊かな伝統に根差した特色ある作風を展開し、加速度的に国際化した20世紀美術の中で確固たる地位を獲得しました。
本展では、そうしたイタリア的な要素とは何か、また、彼らが同時代のアートシーンに果たした役割は何かを検証すると共に、アルテ・ポーヴェラ以降の新世代作家を視野に入れることで、21世紀をも展望しようとするものです。
なお、本展は日伊政府の文化交流事業「日本におけるイタリア・2001」の一環として開催されます。
展覧会図録
『イタリア彫刻の20世紀展』 「イタリア彫刻の20世紀」展実行委員会/現代彫刻センター、2001年