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横浜美術館リニューアルオープン記念展

佐藤雅彦展

新しい×(作り方+分かり方)

概要

ピタゴラ装置(NHK「ピタゴラスイッチ」より)


「ピタゴラスイッチ」 「バザールでござーる」 「だんご3兄弟」 「スコーン」 「モルツ」 「ポリンキー」 「I.Q Intelligent Qube」 「0655/2355」 ・・・。
これらがひとりの人によって生み出されたという驚きから、その「作り方」を知る楽しみへ――。

I.Q Intelligent Qube (SIE・プレイステーション用ソフト)

ポリンキーの秘密(湖池屋) アドミュージアム東京所蔵

展覧会について

TVコマーシャル、教育番組、書籍、ゲームなど、さまざまなメディアを通じて発信される斬新かつ親しみやすいコンテンツにより、1990年代以降のメディアの世界を牽引してきた佐藤雅彦。ひとりの人間がこれほど多種多様な作品群を生み出したことに、誰もが驚くことでしょう。
佐藤の創作活動の軌跡をたどる世界初となるこの展覧会では、佐藤が表現者/教育者として世に送り出してきたコンテンツを一堂に紹介し、「作り方を作る」という思想に裏打ちされた独創的なコミュニケーションデザインの方法論を明らかにします。

計算の庭(桐山孝司との共作/森美術館「六本木クロッシング2007」 展示風景)

鑑賞のまえに~佐藤雅彦の分かり方~

作り方を作る


佐藤の創作の根幹にあるのは、作品を「作る」より手前の、「作り方を作る」という姿勢にあります。そうして生み出された数多くの「作り方」をもとに、TV−CM、教育番組、ゲーム、アニメーション、映画、数学や経済や漫画の書籍など、一見無秩序にも見える、メディアを問わない作品群が生まれてくるのです。
佐藤の創作の大半は、その「作り方を作る」ことに費やされていると言ってもいいでしょう。


イデアの工場(DNP大日本印刷)

ballet rotoscope


キャラクターはちょっと苦手


佐藤雅彦は、誰もが知っている「バザールでござーる」「だんご3兄弟」「ポリンキー」などの親しみやすいキャラクターの作者でもあります。それらの知名度の高さゆえ、とかく佐藤はキャラクター・クリエイターだと思われがちです。しかしその実、佐藤は自身のことを「キャラクターが苦手」だと語ります。
キャラクターは、受け手により強く訴えかけるために必要なときにだけ繰り出される、ひとつの方法なのです。


ぼてじん(NHK「ピタゴラスイッチ」より)

バザールでござーる(NEC) アドミュージアム東京所蔵


むしろ苦手なものだらけ


キャラクターから距離をとる佐藤の態度は、昔から絵を描くことが苦手だったことも一因のようです。佐藤は、文章を読むことも苦手、音楽も苦手だったと言います。それらの苦手なものが、ことごとく佐藤の主要な表現手段になっているのは、佐藤が自身の作った方法論に従順だからなのです。
その佐藤独自の手法を知れば、みなさん自身の苦手なものへの意識も変わるかもしれません。


毎月新聞(毎日新聞出版)

この数センチ、わずかと見るか、着実と見るか。(DNP大日本印刷/新聞広告)

テトペッテンソン(中村至男・松本空との共作/NHK「みんなのうた」より)


意識を、生活をデザインする


佐藤は自身の創作を「新しい分かり方の供給」と定義します。体験者に新たな感覚や気づきをもたらす《計算の庭》《指紋の池》などのインタラクティブアートはその最も分かりやすい作例です。
また、既存のメディアの特性を利用して、人々の行動や思考に変化をもたらすことを意図した作品も数多くあります。朝晩の5分間で日本のリズムを作ろうとする「Eテレ0655/2355」は、その典型です。


指紋の池(桐山孝司との共作/ミラノサローネ「My first me」展示風景、2018)
Photo by Valentina Sommariva

Eテレ0655/2355(NHK)


本当にやりたかったのは、教育


幼少期から、人にものを教えることがなによりも好きだったという佐藤。単に知識を伝えることではなく、ものごとの仕組みや考え方を教えることに関心をもっていたところが佐藤ならではです。展覧会後半では、慶應義塾大学佐藤雅彦研究室を舞台に展開する、「教育」と「創造」とが一体になった佐藤の活動を紹介します。


ISSEY MIYAKE A-POC INSIDE(株式会社イッセイミヤケ)

解きたくなる数学(岩波書店)

小学校1年算数教科書(教育出版)

佐藤雅彦 略歴

佐藤雅彦
撮影:STUDIO DUNK

佐藤雅彦(さとうまさひこ)

1954  静岡県田方郡戸田村(現・沼津市)に生まれる
1977  東京大学教育学部を卒業、電通に入社
1987  電通クリエイティブ局に移籍、CMプランナーとして湖池屋「スコーン」(1988)「ポリンキー」(1990)、NEC「バザールでござーる」(1991)、サントリー「モルツ」(1992)などを手がける
1994  電通を退社、企画事務所「TOPICS」設立
プレイステーションソフト「I.Q」(1997/売上本数総計101万本)や「だんご3兄弟」(1999/CD売上枚数380万枚)、などジャンルを横断したコンテンツを次々とヒットさせる
1999  慶應義塾大学環境情報学部教授
2002  慶應義塾大学佐藤雅彦研究室での研究と実践をベースにした幼児教育番組「ピタゴラスイッチ」(NHK教育)放映開始。以降、国民的番組に
2005  佐藤雅彦研究室OBによるクリエイティヴグループ「ユーフラテス」設立
2006  東京藝術大学大学院映像研究科教授(2021年より名誉教授)
2011  芸術選奨文部科学大臣賞受賞
2013  紫綬褒章受章
2014  カンヌ国際映画祭短編部門に正式招待(2018年も)




公式図録『作り方を作る』

40年にわたる創作活動について、佐藤雅彦自身が書き下ろし、幅広い活動の全容をつたえる初めての一冊。
2025年6月28日よりミュージアムショップ「MYNATE」で販売予定

定価2,970 円(税込)
発行 左右社
B5判変形/並製/288ページ
ISBN978-4-86528-475-1

基本情報

タイトル
横浜美術館リニューアルオープン記念展
佐藤雅彦展 新しい×(作り方+分かり方)
会期
2025年6月28日(土)〜11月3日(月・祝)
開館時間
10時~18時(入館は閉館の30分前まで)
休館日
木曜日
主催
横浜美術館、TOPICS
特別協賛
株式会社電通、株式会社サイバーエージェント、DNP大日本印刷
協賛
株式会社湖池屋、株式会社ビームス
協力
NHKエデュケーショナル、アドミュージアム東京、NEC、東京藝術大学大学院映像研究科、佐藤雅彦教育文化財団、みなとみらい線

観覧料

一般
2,000(1,900)円
大学生
1,600(1,500)円
中学・高校生
1,000(900)円
小学生以下
無料

※( )内は有料20名以上の団体料金(要事前予約、美術館券売所でのみ販売)
※障がい者手帳をお持ちの方と介護の方(1名)は無料(ミライロID可)
※同時開催のコレクション展も、「佐藤雅彦展」チケットで観覧当日に限りご入場いただけます。
※5月28日(水)よりオンラインチケット発売(詳細は後日ウェブサイト等でお知らせします)
※券売所は混雑が予想されるため、オンラインチケットの事前購入をおすすめします。

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