モネは、いまも生きている。
印象派を代表する画家クロード・モネが、画業の集大成となる《睡蓮》大装飾画の制作に着手してから約100年。ひたすらに風景を見つめ、描き続けたモネの作品は、今日にいたるまで私たちを魅了してやみません。
躍動する線。響きあう色。ゆらめく光や大気の一瞬をとらえる眼差し。風景にもぐり込んでいくようなクローズアップによって、描かれたイメージが、逆に画面を超えてどこまでも続いていくかに思わせる《睡蓮》の広がり――こうしたモネの絵画の特質・独創性は、現代の作家たちにも、さまざまなかたちで引き継がれています。
本展では、モネの初期から晩年までの絵画25点と、後世代の26作家による絵画・版画・写真・映像66点を一堂に展覧し、両者の時代を超えた結びつきを浮き彫りにします。そして、「印象派の巨匠」という肩書にとどまらず、いまもなお生き続けるモネの芸術のゆたかな魅力に迫ります。
なぜ、モネの絵画に魅せられるのか――。本展を通じて、皆さまがそれぞれの「好き」の理由を見つけてくださることを願っています。
出品作家
クロード・モネ
アルフレッド・スティーグリッツ、エドワード・スタイケン、マーク・ロスコ、ウィレム・デ・クーニング、モーリス・ルイス、サム・フランシス、ロイ・リキテンスタイン、ジャン=ポール・リオペル、ジョアン・ミッチェル、アンディ・ウォーホル、ゲルハルト・リヒター、ルイ・カーヌ、 堂本尚郎、中西夏之、松本陽子、平松礼二、根岸芳郎、岡﨑乾二郎、児玉靖枝、鈴木理策、福田美蘭、丸山直文、湯浅克俊、小野耕石、児玉麻緒、水野勝規
展覧会図録
『モネ それからの100年』 東京新聞、2018年