抽象画―戦後から現代、光と影―都市との対話
抽象画―戦後から現代
光と影―都市との対話
横浜美術館コレクション展2014年度第2期は、二つのテーマで展示します。
一つは、「抽象画―戦後から現代」。横浜美術館は、2014年4月現在、約1万点以上の美術品や資料を収蔵しています。その中から、日本の戦後から現代に至る抽象画を辿ります。山口長男(やまぐち・たけお)、斎藤義重(さいとう・よししげ)、元永定正(もとなが・さだまさ)、白髪一雄(しらが・かずお)、嶋田しづ、佐野ぬいから、辰野登恵子(たつの・とえこ)、中村一美(なかむら・かずみ)など1950年代生まれの画家達まで、多彩な作品で戦後日本美術における抽象画の一端をご覧いただきます。
もう一つは、「光と影―都市との対話」。同時期開催のホイッスラー展に因み、光と影をとりあげました。特に都市景観や都市生活において、光や影を敏感に捉えた作品や見る者に光の在り方を意識させる作品をコレクションの中からご紹介します。
近代以降の都市には、太陽光や月光などの自然光やそれまでの灯籠や提灯に代わって、ガス灯から電燈へと、新たな人工的光源が登場し、従来にない夜の街の賑わいを生み出し、また人々は利便性の高い交通機関や街の恩恵に浴しています。都市は、震災や戦火によってまたたくまに解体し、また新たな再生を繰り返し発展しました。光と影を併せ持ち、風貌を変える都市のエネルギーと哀感は、美術家たちを触発し、多くの作品の題材となってきました。幕末に西洋画を学んで画面に明るい光を採り入れた高橋由一《愛宕山より品川沖を望む》、文明開化が生み出した都市景観を光と影によって効果的に捉えた小林清親(こばやし・きよちか)の版画や、清水登之(しみず・とし)《ヨコハマ・ナイト》から奈良美智《春少女》まで、多彩な表現をお楽しみいただきます。
また、写真展示室においては、現代の都市における光と影を強烈に映し出した写真家たち、金村修(かねむら・おさむ)、磯田智子、米田知子ほか、を展示いたします。あわせてご覧ください。