生誕100年記念
ピエール・マティスコレクション初公開
20世紀美術史上に大きな足跡を残した巨匠ジョアン・ミロ(1893-1983)。スペイン、バルセロナが生んだこの芸術家は、今世紀の主要な前衛美術運動であるフォーヴィスムやキュビスム、ダダイスムの影響を受け、更に画家アンドレ・マッソンやアンドレ・ブルトン、ポール・エリュアールらと親交を結び、シュルレアリスム運動に関わったことで知られています。
今展は、その質の高さで世界的に知られている故ピエール・マティス旧蔵のミロ・コレクションの中から、主要な作品を精選し四つのセクションを設定して展覧するものであり、総数151点(油彩及び水彩・素描等122点、版画22点、彫刻7点)によって構成されます。また、本コレクションがまとまった形で公開されるのは、今回が世界初の試みとなります。
ピエール・マティスは、画家アンリ・マティスの子息として生まれ、ニューヨークに画廊を開き、ミロをはじめとする当時の前衛的な芸術家を積極的に支援したことで知られています。1993年で生誕100年を迎えるミロの多様にして多彩な芸術を、この貴重なコレクションを通して回顧するとともに、ピエール・マティスの業績を、この機会にあらためて顕彰しようとするものです。
展覧会図録
『生誕100年記念 ミロ展 ピエール・マティス・コレクション』 日本経済新聞社、1992年