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New Artist Picks 和田淳展|私の沼

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《私の沼》2017年 HDビデオ5面

展覧会概要

将来活躍が期待される若手作家を紹介する「New Artist Picks (NAP)」シリーズ。2016年度はアニメーション作家・和田淳(わだ・あつし/1980年生まれ)の個展を開催します。  

和田は2002年頃から、人間や動物などのキャラクターが脈絡を欠いた物語を紡ぎ出す短編アニメーションの制作を続けています。素朴さとやわらかみに溢れる作画の質感、キャラクターたちの謎めいた挙動とコミュニケーションの反復、その動きの合間に入念に挿みこまれる「間」といった要素があいまって、意味不明にもかかわらず心地のよい、独創的な「和田ワールド」が創出されます。

国内外のさまざまな映画祭で上映・受賞を重ねている和田ですが、展示形式で作品を発表する機会はこれまでほとんどありませんでした。公立美術館での初めての個展となるこの展覧会で、和田は複数の画面で構成される新作映像インスタレーションを発表します。横浜美術館の空間で立体的に展開する、新たな「和田ワールド」をご覧ください。

展覧会の見どころ

■国内外の映画祭で注目を集める和田淳、初めての公立美術館での個展。
■作家初のマルチチャンネル(複数画面)によるインスタレーション。
■CGは不使用。一枚一枚手で描かれる、やわらかでぬくもりのある線。
■シュールなキャラクターが醸し出す「間」による独特の世界感。

■「和田淳展|私の沼」作家インタビュー映像 
(本映像は、横浜美術館との大学連携事業において、 城西国際大学メディア学部が制作いたしました)


作家略歴

和田 淳/WADA Atsushi
1980年兵庫県生まれ。大阪教育大学、イメージフォーラム付属映像研究所、東京藝術大学大学院映像研究科で映像を学ぶ。2002年頃から独学でアニメーションの制作をはじめ、2005年に《鼻の日》がノリッジ国際アニメーション映画祭短編部門でグランプリを受賞。
以降、国内外の映画祭等で発表を重ね、2012年のベルリン国際映画祭短編部門審査員賞(《グレートラビット》)をはじめ、受賞歴多数。また、映画『私は猫ストーカー』(2009)、『ゲゲゲの女房』(2010)『ディアーディアー』(2015)劇中のアニメーションパートを担当。
現在、大手前大学専任講師、大阪教育大学および京都精華大学非常勤講師、日本アニメーション協会会員。

基本情報

会期2017年2月3日(金)~2月28日(火)
会場アートギャラリー1、Café小倉山
休館日木曜日 *ただし2月23日は開館
開場時間11時~18時
*2月23日(木)は16時まで、2月24日(金)は20時30分まで
*Café小倉山は10時45分から
観覧料無料
主催横浜美術館(公益財団法人横浜市芸術文化振興財団)
協賛株式会社 資生堂
協力東京藝術大学大学院映像研究科、Café小倉山

関連イベント

アーティストトーク(和田淳展|私の沼)

日程2017年2月4日(土)
時間16時30分~17時30分                     
会場アートギャラリー2
申込み不要
料金無料

アニメーション・ワークショップ「カラダのリズム」(和田淳展|私の沼)

アニメーション・ワークショップ
横浜美術館×東京藝術大学 共同企画

横浜市にキャンパスを構える東京藝術大学大学院映像研究科と共同で、アニメーション・ワークショップを開催します。今回は、自分の体をつかって出した音とリズムを、手描きアニメーションによって表現します。New Artist Picks出品作家・和田淳さんの作品にも通じる手法を体験しましょう。
このワークショップで制作した作品は、2017年2月25日(土)に行われる同展の関連上映会「カラダ!リズム!フィルム!」で、プログラムの一部として上映します。

日程2017年2月5日(日)[全1回]
時間10時30分~17時(途中休憩を含む)
会場横浜美術館 市民のアトリエ平面室
講師山村浩二(アニメーション作家、東京藝術大学大学院映像研究科教授)
定員16名(対象12歳以上)
参加費3,000円(材料費込)
締切2017年1月12日(木)必着 受付終了
申込方法(1)申込みフォーム
(2)往復はがき
*応募者多数の場合は抽選となります。申込み詳細はこちら
協力東京藝術大学大学院映像研究科

講師より

我々の身体には、呼吸や脈拍などの内的リズムがあり、日常的な行動にもリズムをもたらしています。また地球の自転や公転による光の変化や温度の変化なども、人々の生活のリズムに影響を与えています。
ひとコマずつの積み重ねで映像の動きを創造するアニメーション表現は、そういった自分自身や世界の動きの記憶を一度解体し、映像のリズムとして再構成する行為であるとも言えます。また聴覚、触覚といった感覚を視覚的な「動き」として表現できるメディアでもあります。
このワークショップでは、手を叩く、摩る、舌を鳴らすなど、体の部位を使った音を録音し、鳴らした音とは別の部位の絵を描き、2コマ、4コマ、16コマ、24コマと、色々な動き毎にフレーム数を変えたアニメーションを制作し、音の感覚の再構成を試みます。知覚の転換の面白さと、身体感覚に基づいた映像のコマの感覚を体感します。

山本浩二
山村 浩二(やまむら・こうじ)
1964年生まれ。東京造形大学卒業。90年代『パクシ』『バベルの本』など子供向けのアニメーションを多彩な技法で制作。2002年『頭山』がアヌシー、ザグレブをはじめ世界の主要なアニメーション映画祭で6つのグランプリを受賞、第75回アカデミー賞®短編アニメーション部門にノミネートされる。また『カフカ 田舎医者』がオタワ、シュトゥットガルトなど7つのグランプリを受賞。映画祭の審査員、回顧上映多数。第30回川喜多賞受賞、ヴィースバーデン市文化局賞受賞。第65回小学館児童出版文化賞受賞作『ちいさな おおきな き』(小学館)、『おやおや、おやさい』(福音館書店)など絵本画家しても活躍。映画芸術科学アカデミー会員、東京藝術大学教授。
ヤマムラアニメーションウェブサイト
東京藝術大学大学院映像研究科

上映会「カラダ!リズム!フィルム!」(和田淳展|私の沼)

日程2017年2月25日(土)
時間[Aプログラム]13時~14時30分
[Bプログラム]15時~16時30分
[Cプログラム]17時~18時30分
会場横浜美術館レクチャーホール                  
申込み不要(定員240名)
料金無料
[Aプログラム] ワタシのリズム:和田淳作品個展上映(9作品/約54分)
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和田淳《Anomalies》2013年

New Artist Picks出品作家・和田淳の短編アニメーションを、初期から近作まで一挙上映。代表作はもちろん、上映機会の少ないレア作品も網羅した全9タイトルを作家解説付きで!(和田淳による作品解説付 )
① 《係》2004年/6分  
② 《やさしい笛、鳥、石》2005年/3分
③ 《鼻の日》2005年/10分
④ 《声が出てきた人》2006年/5分
⑤ 《そういう眼鏡》2007年/6分
⑥ 《わからないブタ》2010年/10分
⑦ 《春のしくみ》2010年/4分
⑧ 《グレートラビット》2012年/7分
⑨《Anomalies》2013年/3分 
[Bプログラム] カラダとリズム:東京藝大アニメーション専攻歴代作品セレクション(10作品/約61分)
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山村浩二《こどもの形而上学》2007年

山村浩二氏が教鞭を執る東京藝大大学院アニメーション専攻の歴代作品から、「カラダ」と「リズム」をテーマにセレクト。山村浩二作品も特別上映!(山村浩二による作品解説付 )
① 北村愛子《服を着るまで》2010年/9分
② 銀木沙織《指を盗んだ女》2010年/4分
③ 牧野惇《穴》2010年/7分
④ ALIMO《開かれた遊び、忘れる眼》2012年/9分
⑤ 川口恵里《底なしウィンナー》2013年/5分
⑥ キム・ハケン《MAZE KING》2013年/7分
⑦ 山崎萌花《腕の多い男》2016年/6分
⑧ ニコラス・グアリン《みんな同じように見えるなら》2016年/3分
⑨ 清家美佳《ふりだし》2016年/8分
⑩ 山村浩二《こどもの形而上学》2007年/5分
[Cプログラム] フィルムのリズム:横浜美術館所蔵映像作品セレクション(10作品/約56分+ワークショップ成果作品上映)
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スタン・ブラッケージ《モスライト》1963年

横浜美術館の16mmフィルム・アーカイヴから、「リズム」をテーマに山村浩二氏がセレクト。プログラム冒頭に、2017年2月5日に市民のアトリエで実施される横美&藝大共同ワークショップ「カラダのリズム」の参加者成果作品集を上映。(山村浩二による作品解説付 )
① ヴィキング・エッゲリング《対角線交響楽》1923-25年/6分
② オスカー・フィッシンガー《ムラッティの行進!》1934年/3分
③ レン・ライ《トレード・タトゥー》1937年/5分
④ ノーマン・マクラレン《ブリンキティ・ブランク(線と色の即興詩)》1955年/5分
⑤ アレクサンダー・アレクセイエフ&クレア・パーカー《禿山の一夜》1933年/8分
⑥ スタン・ブラッケージ《モスライト》1963年/4分
⑦ ノーマン・グレゴワール《通過》1974年/6分
⑧ 伊藤高志《SPACY》1981年/10分
⑨ 相原信洋《映像(かげ)》1987年/6分
⑩ ブルース・ベイリー《オール・マイ・ライフ》1966年/3分 

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