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石田尚志 渦まく光 Billowing Light:ISHIDA Takashi

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展覧会概要

絵画/映像 ―「越境」のアーティスト、初の大規模個展

スクリーンに映し出されたまっさらな壁や紙の上に、植物のように伸びていく線。その線は渦となって画面を覆いつくし、さまざまに様態を変え、また消えてゆきます。 石田尚志(いしだ・たかし)は、絵画制作のプロセスである「絵を描く」という行為そのものに着目し、それを映像メディアによって作品化します。

多くの作品で石田が用いるのは、「ドローイング・アニメーション」という手法です。抽象的な線を少しずつ描いてはコマ単位で撮影するという行為を反復して、「動く絵(ムーヴィング・ピクチャー)」を創り上げます。 映像のなかで描かれ続ける、終わりのない絵画。その制作過程は、目に見える、あるいは見えないさまざまな要素との対話の軌跡でもあります。テーブルや椅子、傍らの窓から差し込む陽光の移ろい、描き続ける作家自身の身体、そして制作現場に響いていた音や音楽。膨大な画像の編集作業を経て、再び映像としての「時間」を獲得した作品は、さながら線描で奏でられる音楽のようです。そこには、「絵が動く」という映像メディアが生まれながらにもつ視覚的魅惑が凝縮されています。   

この展覧会は、昨今、現代美術および映像の領域で大きな注目を集める石田尚志にとって初めてとなる大規模な個展です。過去20年間の代表作に新作の映像インスタレーションを加え、パフォーマンスや上映会などの多彩な関連イベントも交えてその創作活動を俯瞰します。絵画、映像、音楽、身体表現など異なる表現形式を往還する、独創性に富んだ石田の芸術の魅力をご堪能ください。

※巡回:2015年9月18日(金)~10月25日(日)沖縄県立博物館・美術館 (予定)

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《海の壁-生成する庭》2007年/3面ビデオインスタレーション
(東京都現代美術館での展示風景、2011年)
(c)Takashi Ishida,Photo:Haruyuki Shirai

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《燃える椅子》2013年/ビデオ
(c)Takashi Ishida

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《海の壁-生成する庭》制作風景
(横浜美術館、2006年)(c)Takashi Ishida

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《光の落ちる場所》(仮題)
2015年/ビデオ 
(c)Takashi Ishida

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《色の波の絵巻》2010年/ビデオ
(c)Takashi Ishida

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《フーガの技法》(原画)2001年/インク・鉛筆、紙
(c)Takashi Ishida

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《浜の絵》2011年/ビデオ(c)Takashi Ishida

作家略歴

石田 尚志 ISHIDA Takashi

画家/映像作家。1972年東京都生まれ。1990年より本格的な絵画制作、92年頃より映像制作を始める。以降、愛知芸術文化センターオリジナル映像作品《フーガの技法》(2001)、横浜美術館での滞在制作作品《海の壁-生成する庭》(2007)等で注目を集める。2007年に五島記念文化賞美術新人賞受賞。多摩美術大学准教授。

近年の展覧会に「躍動するイメージ。石田尚志とアブストラクト・アニメーションの源流」(2009、東京都写真美術館)、「MOTコレクション 特集展示 石田尚志」(2011、東京都現代美術館)、「ダブル・ヴィジョン―日本現代美術展」(2012、モスクワ市近代美術館ほか)。また、「トロント国際映画祭」(2006)などの国際映画祭への参加、パフォーマンスや他分野の表現者とのコラボレーションなど、ジャンルを横断した活動も展開している。

基本情報

会期2015年 3月28日(土)~5月31日(日)
休館日木曜日
開館時間10時~18時(入館は17時30分まで)                     
主催横浜美術館(公益財団法人横浜市芸術文化振興財団)、読売新聞社
後援横浜市
協力みなとみらい線、横浜ケーブルビジョン、FMヨコハマ、首都高速道路株式会社     
タカ・イシイギャラリー、多摩美術大学 造形表現学部映像演劇学科

※平成26年度[第18回]文化庁メディア芸術祭協賛事業

観覧料

一般1,500(1,400)円
大学・高校生900(800)円                               
中学生
600(500)円
小学生以下無料
先行発売
ペアチケット
*期間限定
*販売終了 
2枚1組 2,000円
本チケットをお買いあげのお客様に、非売品の横浜美術館オリジナルチケットフォルダをプレゼント。
販売期間:2014年10月25日(土)~2014年12月28日(日) 
販売場所:横浜美術館ミュージアムショップ 、スマートフォン・チケット「ティクシー」

チケット取扱い:横浜美術館(前売はミュージアムショップ)
        セブン‐イレブン店内マルチコピー機「セブンチケット」
        スマートフォン・チケット 「ティクシー」

※前売券販売期間は、2015年1月3日(土)~3月27日(金)
※横浜美術館ミュージアムショップ販売前売券に限りオリジナルグッズプレゼント付
※( )内は前売ならびに有料20名以上の団体料金(要事前予約)
※2015年4月4日(土)は無料
※毎週土曜日は、高校生以下無料(要生徒手帳、学生証) 
※障がい者手帳をお持ちの方と介護の方(1名)は無料
※観覧当日に限り「石田尚志展」の観覧券で横浜美術館コレクション展も観覧可

関連イベント

学芸員によるギャラリートーク(石田尚志展)

日程2015年4月10日(金)、4月24日(金)、5月8日(金)、5月22日(金)
時間いずれも15時~15時30分
会場石田尚志展展示室
参加費無料(事前申込不要、当日有効の観覧券が必要)

展覧会・ココがみどころ!(石田尚志展)

横浜美術館のボランティアが、展覧会の魅力をコンパクトに紹介します。

日程2015年4月11日(土)以降の土曜日・日曜日
※ただし、4月19日(日)と4月26日(日)は除く
時間いずれも11時~11時15分、14時~14時15分
担当横浜美術館ボランティア(教育プロジェクト)
会場グランドギャラリー
料金無料

夜の美術館でアートクルーズ(石田尚志展)

閉館後の美術館で、学芸員の解説つきで展覧会をゆったり鑑賞するプログラム。
本展で展示されない作品や関連資料もご覧いただけます。

日程①2015年4月18日(土)
②2015年5月13日(水) ※①②は同内容
時間いずれも19時~21時
講師石田尚志展担当学芸員
会場石田尚志展展示室
対象・定員18歳以上・各回30名(抽選)
参加費3,000円
申込方法参加希望日を選んで、申込フォームからお申込みください
①2015年4月18日(土):申込フォーム受付終了
②2015年5月13日(水):申込フォーム受付終了
申込締切①2015年3月19日(木) ②2015年4月16日(木) 

上映&トーク(石田尚志展)

[第1回]本展で展示されない作品を含む、石田尚志の映像作品を、作家と担当学芸員のトークを挿みながら上映します。
[第2回]石田尚志と2人のゲストとによる鼎談。パフォーマンスの記録映像等を交えながら、芸術の領域横断、拡張の可能性について語ります。
両日とも終了後、作家による展覧会カタログのサイン会を実施。

タイトル・出演[第1回]「石田尚志映像個展」
    出演:石田尚志、松永真太郎(当館主任学芸員)
[第2回]「クロストーク」
    出演:石田尚志、吉増剛造(詩人)、 藪前知子(東京都現代美術館学芸員)
日程[第1回]2015年4月19日(日)
[第2回]2015年4月26日(日)
時間14時~15時30分(13時30分開場)
会場レクチャーホール
定員240名(各日12時より総合案内で整理券配布)
参加費無料

石田尚志ワークショップ「映像の光」(石田尚志展)

石田尚志ワークショップ「映像の光」


カメラを使わず、フィルムに直接色を塗ったり線を描いたりして映像をつくる「キネカリグラフィ」という手法を通して、石田尚志の映像と光の世界を体験します。映画用の16ミリフィルムにイメージを描いたら、みんなのフィルムをつなぎ、映写機で夜の美術館に投影してみましょう。
講師石田尚志
日程2015年5月2日(土)
時間15時~19時30分(休憩含む)
会場市民のアトリエ
対象・定員12歳以上・15名(抽選)
参加費2,000円(会期中に使える観覧券付)              
申込方法(1)申込みフォーム
(2)往復はがき             
申込締切2015年4月13日(月)必着 受付終了

こどもの日ワークショップ 親子講座「動く絵をつくろう!」(石田尚志展)

映画用の16ミリフィルムの上にペンで自由に描きます。 それを映写機にかけてスクリーンに映すと・・・。
「映像」の原理を親子で楽しく体験するワークショップです。 

講師石田尚志、子どものアトリエスタッフ
日程2015年5月5日(火・祝)
時間10時~11時30分
会場子どものアトリエ
対象・定員小学生とその保護者・20組(1組4名まで、抽選)
参加費
無料
申込方法往復はがき
申込締切2015年4月13日(月)必着
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ライブドローイング「横浜絵巻」(石田尚志展)

石田尚志のもう一つの顔である、ドローイングによるパフォーマンス。 
画家のO JUN氏、小林正人氏と共に、美術館前広場を舞台に、即興で「横浜絵巻」を描きます。

出演石田尚志、O JUN(画家)、小林正人(画家)
日程2015年5月5日(火・祝)
時間14時~15時
会場横浜美術館前広場(雨天の場合は美術館正面ポルティコ)
参加費無料 (事前申込不要、直接会場にお越しください)

美術情報センター 資料特別展示 石田尚志展連動企画  

美術と音楽
マーグ画廊 『デリエール ・ル・ミロワール』を中心に

画家で映像作家の石田尚志(いしだたかし、1972年生まれ)にとって、音楽は大きな意味をもっています。20歳の頃、CDラジカセでJ.S.バッハの曲を大音量で流しながら路上で「音楽のスケッチ」を描き始めた彼は、2001年にバッハの楽曲を元に、自らが描くデッサンをコマ撮りの手法で映像化した作品《フーガの技法》で高い評価を受けました。石田が絵画と映像を結びつけたように、画家が革新的な表現に挑戦するときには音楽がリード役をつとめることがあります。20世紀の前半、キュビズムや抽象主義が現れたときにも、今日巨匠と呼ばれる画家たちの多くが音楽からインスピレーションを得ていました。
今回の資料展示では、パリのマーグ画廊出版より1946年から1982年にかけて刊行された美術雑誌『デリエール・ル・ミロワール』、同じくパリで1937年に創刊された美術・文学雑誌『ヴェルヴ』などから、音楽に触発されたことで知られる20世紀の画家、ブラック、ミロ、カンディエンスキー、シャガール、マティス、クレーの作品を貴重なリトグラフやコロタイプの図版で紹介します。

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ヴァシリー ・カンディスキー(1866-1944)
《相乗的調和》
『Derrière le miroir』、Aimé Maeght、
1969年、No.179より
美術情報センター蔵、山室百世氏寄贈

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『Derrière le miroir』、Aimé Maeght、
左 No.42(1951年11-12月)
中 No.179(1969年6月)
右 No.133-134(1962年10-11月)
美術情報センター蔵、山室百世氏寄贈

会期2015年4月1日(水)~7月5日(日)
※2015年6月8日(月)~6月17日(水)は特別整理期間(蔵書点検)のため休室
時間10時~18時(入室は17時30分まで)
休室日木曜日
料金入場無料
場所美術情報センター

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