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奈良美智:君や 僕に ちょっと似ている

展覧会概要

一目見ると忘れがたい印象を残す子どもや動物たち。奈良美智(なら・よしとも)が作り出すものたちは、時に挑戦的であり、またある時には瞑想しているような憂いを帯びた、多彩な表情を見せてくれます。そこには、可愛らしさの奥底に秘められた強い意思や、言葉にできない感情といった、相反する営みが共存する人間の奥深さが表れ、見る者の創造力をかきたてる魅力を秘めています。絵画やドローイングをはじめ、大規模なインスタレーションなど、多様な作品を通じて広く世界中の人々を魅了してきた奈良美智は、今、再び創作活動の原点に立ち返り、文字通り自らの手によって生み出される指の跡もあらわな彫刻など、新たな作品世界を切りひらこうとしています。
タイトル「a bit like you and me…君や僕にちょっと似ている」は、ビートルズの「Nowhereman」の歌詞に登場するフレーズであり、作家と作品の関係、さらに観客と作品の関係性を示すものです。

もはや自分が作るものは、自分の自画像ではなく、自分や誰かの子どもや友達だと感じる。
オーディエンスのもの、欲を言えば美術の歴史の中に残っていくものになっていくと思っている。
自分の肉体が滅んでも、人類が存在する限りは残っていくもの。
                                  -------------奈良美智

様々なレベルにおいて絶え間ない変化を続ける世の中で、人々の共感を呼び、長く残り、語り継がれるもの。それは「君」や「僕」に「ちょっと似ている」、普遍性を持つ存在であることでしょう。これまで作家の分身として送り出されてきた作品は、より自立した存在として鑑賞者と対峙し、美術が本来得意としてきた永続性のある共感関係を浮き彫りにしていくに違いありません。
本展は、作家にとって初の挑戦となる大型のブロンズ彫刻をはじめ、絵画やドローイングなどの新作により構成されます。2001年に開催した国内初の大規模な個展以来、横浜美術館では11年ぶりの個展です。

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