開館15周年記念
展覧会を見る時の「楽しさ」とは、どこからやってくるのでしょうか。作家の人生や歴史的・社会的背景を知ったうえで、作品の主題や意味を読み解く喜びは、そのひとつのあり方です。一方で、「作品を見比べる」「作品が創り出す空間を体感する」など、数多くの作品が一堂に会することで可能となる楽しみもまた、展覧会や美術館という場ならではのものでしょう。
この展覧会は、「展覧会や美術館を楽しむこと」を基本的なスタンスとして、分野を超えてさまざまな作品を取り上げ、自由な作品鑑賞のあり方を提案しようとするものです。思いがけない作品同士が出会い、一体となって生み出す展示空間を、4つの世界をめぐる冒険の旅に見立てて紹介します。一見無関係な作品が、意外にも共通する世界観を示すこと(AND)、あるいは世界観の違いを明確に語ること(VS)を発見できるかもしれません。横浜美術館のコレクションを中心に、内外の作家による油彩画、日本画、立体作品、版画、写真・映像作品など約60点を展示します。