描かれた横浜
イメージをかさねる
風を聴く—自然の気配をうつす美術
かたちの変容
横浜美術館コレクション展2016年度第2期は、4つのセクションで構成します。
「描かれた横浜」は当館の教育プロジェクトチームが手がける展示です。横浜の街には、ここ「みなとみらい21地区」の高層ビル群をはじめ、実に様々な表情があります。各時代の作家たちはそれぞれの眼差しと手法で、横浜の風景を描き出してきました。現在では大きく様変わりした場所もあれば、描かれた当時の名残が顕著な場所もあります。ご自身の記憶や思い出を重ねあわせ、懐かしくご覧になる方々もあるでしょう。会期中には描かれた場所をボランティアが案内するプログラムも行います。
「イメージをかさねる」では、作品に織りこまれた様々な「かさなり」をキーワードに、作品の見方や感じ方を深めていきます。古今東西の名画を基に、その「オリジナル」のイメージを揺るがし、新しい絵画の見方を促す福田美蘭の《風神雷神図》《山水図》など、収蔵後初の展示作品も含みます。中原浩大の《ConS:KConWS_6p》は、社会的な意味や文脈に左右されることなく、純粋に「かたち」を見ることは可能かと、私たちに問いかけます。
「風を聴く―自然の気配をうつす美術」では、草むらを吹く風を表した熊井恭子の立体作品《叢生’99》を展示室の中央に据え、同作と響き合うように、自然をモチーフとした絵画を特集します。
写真展示室の「かたちの変容」では、実験的な技法によって日常の事物を非日常的なイメージへと転換させた20世紀初頭のダダやシュルレアリスムの写真や、自らの身体を様々な姿に変容させるルーカス・サマラスや森村泰昌のセルフポートレートなどを展示します。