横浜美術館コレクション展 2012年4月7日(土曜)から6月24日(日曜) 横浜美術館

横浜ゆかりの陶芸家―井上良斎(三代)

横浜美術館は、日本の近代陶芸を牽引した作家、井上良斎(三代)(いのうえ・りょうさい)の作品を13点収蔵しています。良斎は、先二代を継いで浅草で輸出用陶磁器を制作していましたが、1914年(大正3)に輸出に便利な横浜の高島町に移転し、その後、関東大震災を機に南区永田に居を移しました。近代陶芸の祖と言われる板谷波山(いたや・はざん、1872-1963)に師事し、1927年(昭和2)には東陶会の創立に参加して本格的に創作陶芸を開始しました。日展を中心に発表を続け、1953年(昭和28)には第一回横浜文化賞を受賞しています。良斎が同地に築造した登り窯は、斜面を利用して作られた高さ5.1mの耐火煉瓦造りで、市内で唯一現存する窯として保存されています。父祖から受け継いだ陶作技術を下地に、個性の表出を目指して様々な器形や施釉に取り組んだ作品は、中国古陶磁に想を得たものから、モダンな感覚のものまで一点一点が異なった表情を呈しています。

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展示室風景

展示風景