ここでは、新しく収集されたコレクションを中心に展示します。横浜美術館では、近年、企画展と連動しながら、新しい表現を模索する現代作家による作品の収集を、積極的に行っています。
2006年開催の「日本×画展 しょく発する6人」展では、従来、日本画と呼ばれてきたジャンルへの新たな提言を見出すという意図のもと、自らの創作を必ずしも日本画として規定せずに活躍する現代作家に光を当てました。中村ケンゴ[なかむら・けんご]の《コンポジション トウキョウ》は、日本画の顔料を用いながらも、直線的でシンプルな構成のモンドリアンによる油彩画や、画一的なワンルームの住まいに暮らす現代人の姿を想起させます。また、中上清[なかがみ・きよし]は、アクリル絵具を用いて、金泥や岩絵具に特有の質感の再現を試みています。
藤井 雷(1981年生まれ) 彼南模様[部分] 平成18年 絹本墨画、巻子 寄託作品
FUJII Rai (born in 1981) Scene of Penang [detailed] 2006 Ink on paper,scroll
※8月17日(日曜)までの展示
FUJII Rai (born in 1981) Scene of Penang [detailed] 2006 Ink on paper,scroll
※8月17日(日曜)までの展示
同じく、2006年に開催した「アイドル!」展では、イメージとして流布するアイドルの存在を見つめ直すという切り口から、現代日本の特徴をあらわにした作品を選定しました。川島秀明[かわしま・ひであき]による《roses》に描かれた、宙に浮いたような大きな瞳の少女像は、特定のモデルとして表すことを避けて表現された、現代人の肖像画です。西野正将[にしの・まさのぶ]の《New Generations》は、国民的アニメのキャラクターを思わせる人物を写真作品へと転換することで、さまざまなメディアによる情報があふれた時代の特質を捉えています。
中村 ケンゴ(1969年生まれ)
《コンポジション トウキョウ》
平成6/10年、平成18年
岩絵具、顔料、和紙
寄託作品
NAKAMURA Kengo (born in 1969)
COMPOSITION TOKYO
1994/98, 2006
Mineral pigment and pigment on Japanese paper
※8月17日(日曜)までの展示
《コンポジション トウキョウ》
平成6/10年、平成18年
岩絵具、顔料、和紙
寄託作品
NAKAMURA Kengo (born in 1969)
COMPOSITION TOKYO
1994/98, 2006
Mineral pigment and pigment on Japanese paper
※8月17日(日曜)までの展示