横浜美術館 横浜美術館コレクション展 4月7日(水)-6月30日(水) Yokohama Museum of Art Collection 1 April 7 (Wed)-June 30 (Wed)
コレクション展について
小林古径と院展の画家たち
オットー・ディックスとその時代
現代の日本の絵画
ポップ・アートと版画
アメリカ写真の展開-1900年から1970年
コレクショントーク
今後の予定
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現代の日本の絵画
 次々と新しい表現が展開するなかで、1950年代末頃から、絵画もカンヴァスや紙に絵具をのせた物質であると考えたり、描く行為自体を表現とみなす人びとが現れました。この傾向は、ともすると絵画という形式の否定につながります。現代の絵画は、原点に立ち戻って再生する必要に迫られたといえるでしょう。
 既成の芸術表現を鋭く批判した中西夏之(なかにし・なつゆき)は、その油彩作品において、絵画が生成する時間と場を再現することをめざしました。白い地を活かした画面は、絵筆が置かれたばかりのようなみずみずしさを湛(たた)えています。辰野登恵子(たつの・とえこ)は、丹念に筆触を重ね色を重ねることで、言い知れぬ奥行きを二次元的平面にもたらしました。作品には、幾何学的な形態が収縮・膨張を繰返しているような生命感が漂っています。宮崎進(みやざき・しん)は、シベリア抑留時に使った麻布袋の記憶から、彫塑のごとく麻布を盛りあげた絵画をつくりました。そこにみなぎる重みは、素材の質感以上に実体験のリアリティーに支えられています。純粋無垢なだけでなく、残酷さや孤独をも抱える「子ども」のイメージを、幼稚さを装った表現で描きだす奈良美智(なら・よしとも)。ドローイングに想を得たその軽やかな作品は、絵画のあらたな可能性を示しています。
辰野 登恵子 《UNTITLED 96-3》 平成8年

TATSUNO Toeko [UNTITLED 96-3] 1996

★会期中、辰野登恵子氏によるコレクション・トークを開催します。詳細はこちら。

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