横浜美術館 横浜美術館コレクション展 4月7日(水)-6月30日(水) Yokohama Museum of Art Collection 1 April 7 (Wed)-June 30 (Wed)
コレクション展について
小林古径と院展の画家たち
オットー・ディックスとその時代
現代の日本の絵画
ポップ・アートと版画
アメリカ写真の展開-1900年から1970年
コレクショントーク
今後の予定
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オットー・ディックスとその時代
 オットー・ディックスは20世紀のドイツを代表する画家のひとりです。代表作《大都会》をはじめ都市風俗画、戦争画、肖像画が知られています。そこには二度の世界大戦とその狭間に生きる人間の姿が、仮借なきまでに克明な筆致で描き出されています。表現主義の厚塗りから出発したディックスは、やがて16世紀の絵画を研究し、その透明な色層を幾重にも重ねる精密な描法を習得しました。画家の会心作(かいしんさく)《仔牛の頭部のある静物》もその一例です。ディックスは「生のはかなさ」という静物画の伝統的な寓意を活かしながら、対象の表皮、その肌理(きめ)を執拗に探求することで、見る者に周囲の世界と心の世界との接触面を意識させようとします。写真家・美術史家のフランツ・ローは、表現主義の後の時代に現れた、いわば皮膚感覚に根差した写実主義に注目し、「魔術的リアリズム」と名付けました。同様の傾向は、ダリやミロによる古典技法に倣(なら)った細密な作品にも認めることができます。またエルンストやピカソも、ゴシックや北方ルネサンスの作品からモチーフを借用しています。この他に、ディックスと交流のあった作家たちを中心とするドイツ各地のダダや構成主義などの作品、ディックスが採り上げた人形、食材、新聞紙、布などのモチーフを含むドイツ系の静物写真を集めてみました。
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