PRESS ROOM

YOKOHAMA MUSEUN OF ART

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ゲスト・アーティスト

束芋 Tabaimo(1975年兵庫県生まれ、長野県在住)

アニメーションを用いた映像インスタレーションにより世界的に知られ、2011年のヴェネチア・ビエンナーレ日本館代表になるなど、数々の国際展や国内外の美術館で精力的に作品発表をする傍ら、近年は舞台とのコラボレーションや新聞連載小説の挿絵なども展開する。横浜では、2001年の横浜トリエンナーレに最年少の25歳で参加したほか、2009年、横浜美術館開館20周年を記念して、全て新作による個展「束芋:断面の世代」を開催。本展は個展以来10年ぶりに横浜での作品発表となる。

開館30周年に寄せて

開館30周年おめでとうございます!
横浜美術館20周年に大規模個展をさせていただいた2009年は、私自身の活動も10年目で、気合い入りまくりで制作したことをつい先月のことのように思い出せます。新しいことにたくさんチャレンジさせていただき、立ちはだかる壁を一緒に乗り越え、難しい課題に丁寧に対応していただいたあの経験が、それからの10年の活動をより充実したものにしてくれました。横浜美術館と比べ、10年経験が浅い私ですが、これからまた自分の30周年目指してひた走ります。大先輩の横浜美術館のたくましい背中を追いかけてまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします!

束芋

束芋《あいたいせいじょせい》2015年 映像インスタレーション(5’33”ループ)[展示風景]
©Tabaimo / Courtesy of Gallery Koyanagi Photo by Kazuto Kakurai

淺井 裕介 Yusuke Asai(1981年東京都生まれ、東京都在住)

撮影:武田陽介

テープや泥等身近な素材を用い、ギャラリー空間のみならず、学校、道路といった公共空間をも変容させるような作品を制作する。近年の個展に「淺井裕介―絵の種 土の旅」(2015-2016年、箱根彫刻の森美術館)。また国内外のグループ展、芸術祭に多数参加している。横浜美術館では2007年に、「New Artist Picks」枠で個展「根っこのカクレンボ」を開催。グランドギャラリーやカフェ等館内全域をマスキングプラントで埋め尽くした。それから12年、国内外での多くの発表を経て経験を重ねてきた作家が再び横浜美術館という場と出会う。

開館30周年に寄せて

最近は移動することそのものについて考えています、動き続けること、生きること、変わりながらしなやかに安定すること、大きな動きと小さな動き、目で見ることのできない素早い動きと、同じく植物が育つような目で見えないゆっくりとした動き、一つの命が次の命につないでいく終わることのない緩やかな生命の線。
学生時代よく通ったこの美術館で、約12年ぶりに再び滞在制作を行える喜びに思いを馳せつつ、心機一転いまこの美術館、このスタッフとこの部屋、この素材、この作品たちに囲まれて、ここから何が生まれてくるのか、楽しみにしています。

淺井裕介

淺井裕介《yamatane》(参考作品) 2014年
Rice University Art Gallery、ヒューストン(アメリカ)[展示風景]
©Yusuke Asai / Courtesy of ANOMALY, Tokyo and Rice University Art Gallery Photo by Nash Baker

今津 景 Kei Imazu(1980年山口県生まれ、東京都・バンドゥン[インドネシア]在住)

2000年代後半から発表をはじめ、「VOCA展2009 現代美術の展望—新しい平面の作家たち」で佳作賞を受賞して注目を集める。古今東西の美術史上の作品と身体や動植物などのイメージを収集してコンピューター上で繋ぎ合わせ、カンヴァスに描き起こすという手法で制作する。他のゲスト・アーティストと異なり、これまで当館の活動と接点のなかった今津が、学芸員と共同で展示立案に携わることにより、コレクションに新しい視座を提示する。

開館30周年に寄せて

横浜美術館開館30周年おめでとうございます。
私は横浜美術館での展覧会に参加する事自体が初めての経験になりますが、この記念すべき節目の展覧会にゲスト・アーティストとして関われた事を本当に嬉しく思います。
今回展示室にどのような作品を配置するのかという企画準備の段階から参加させてもらい、それは個人として美術館のコレクションの歴史と向き合う貴重な経験になりました。
西洋文化を受け入れる窓口となった港町である横浜に建つ美術館に集められたシュルレアリスム絵画/彫刻や、国内外の網羅的な写真作品などのコレクションには当時の実験精神と探究心が色褪せず宿っています。それらの作品群と同じ空間に自分の絵画を並べて展示できる事をとても光栄に感じています。

今津景

今津景《Repatriation》2015年 油彩、カンヴァス 227.3×486.0cm 作家蔵 
©Kei Imazu / Courtesy of ANOMALY, Tokyo Photo by Keizo Kioku

菅 木志雄 Kishio Suga(1944年岩手県生まれ、静岡県在住)

1960年代末から発表をはじめ、関根伸夫や李禹煥らとならぶ「もの派」の代表的作家に位置づけられる。以後今日に至るまで旺盛な創作活動を展開、国際的な評価を確立している。1999年には横浜美術館で個展「菅木志雄―スタンス」を開催。今回はその際に発表された大規模なインスタレーション作品2点を再展示するとともに、当館のコレクションをもとにした展示構成に菅自身が携わる。

開館30周年に寄せて

最初の横浜美術館での展示は、わたしの個展でもエポックメイキングなものでした。館内と入口を出た外にその場でしかできない大きな作品を設置しましたが、その前にわたしは、十分に空間や場の特徴を吟味しました。そこは単調ではなく、複雑な空間性をもった場の連なりでした。そこでわたしは極力場のリアリティーにそって考え、目に見える物性を前面に出して、作品を提示しました。場や〈もの〉の在り様を追求しているわたしにとって、それは満足のいくものでした。それ以来、横浜美術館は、わたしにとって特別な場になりました。そこは新しい潮流を真っ先にとり入れて、新たな方向を決定づけていくところであるとの思いがあります。ですからそのような歩みを止めずに進んでほしいと願っているのです。

菅木志雄

菅木志雄《環空立》1999年 木 359.5×1,323.0×1,259.0cm 
横浜美術館蔵 ©Kishio Suga