アニメーションを用いた映像インスタレーションにより世界的に知られ、2011年のヴェネチア・ビエンナーレ日本館代表になるなど、数々の国際展や国内外の美術館で精力的に作品発表をする傍ら、近年は舞台とのコラボレーションや新聞連載小説の挿絵なども展開する。横浜では、2001年の横浜トリエンナーレに最年少の25歳で参加したほか、2009年、横浜美術館開館20周年を記念して、全て新作による個展「束芋:断面の世代」を開催。本展は個展以来10年ぶりに横浜での作品発表となる。
テープや泥等身近な素材を用い、ギャラリー空間のみならず、学校、道路といった公共空間をも変容させるような作品を制作する。近年の個展に「淺井裕介―絵の種 土の旅」(2015-2016年、箱根彫刻の森美術館)。また国内外のグループ展、芸術祭に多数参加している。横浜美術館では2007年に、「New Artist Picks」枠で個展「根っこのカクレンボ」を開催。グランドギャラリーやカフェ等館内全域をマスキングプラントで埋め尽くした。それから12年、国内外での多くの発表を経て経験を重ねてきた作家が再び横浜美術館という場と出会う。
淺井裕介
2000年代後半から発表をはじめ、「VOCA展2009 現代美術の展望—新しい平面の作家たち」で佳作賞を受賞して注目を集める。古今東西の美術史上の作品と身体や動植物などのイメージを収集してコンピューター上で繋ぎ合わせ、カンヴァスに描き起こすという手法で制作する。他のゲスト・アーティストと異なり、これまで当館の活動と接点のなかった今津が、学芸員と共同で展示立案に携わることにより、コレクションに新しい視座を提示する。
今津景
1960年代末から発表をはじめ、関根伸夫や李禹煥らとならぶ「もの派」の代表的作家に位置づけられる。以後今日に至るまで旺盛な創作活動を展開、国際的な評価を確立している。1999年には横浜美術館で個展「菅木志雄―スタンス」を開催。今回はその際に発表された大規模なインスタレーション作品2点を再展示するとともに、当館のコレクションをもとにした展示構成に菅自身が携わる。
菅木志雄
開館30周年に寄せて
開館30周年おめでとうございます!横浜美術館20周年に大規模個展をさせていただいた2009年は、私自身の活動も10年目で、気合い入りまくりで制作したことをつい先月のことのように思い出せます。新しいことにたくさんチャレンジさせていただき、立ちはだかる壁を一緒に乗り越え、難しい課題に丁寧に対応していただいたあの経験が、それからの10年の活動をより充実したものにしてくれました。横浜美術館と比べ、10年経験が浅い私ですが、これからまた自分の30周年目指してひた走ります。大先輩の横浜美術館のたくましい背中を追いかけてまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします!
束芋