展覧会の構成とみどころ
約5,000点以上、現在も増え続けている村上隆の美術コレクション。
既存の基準やヒエラルキーを超えて、独自の美意識と価値観で選ばれた作品・オブジェ群の一部約1,100点を、地域や流派といった既存のカテゴリーをとりはらい、感覚的あるいは機械的に並列することで「スーパーフラット・コレクション」の意味について考えます。
彫刻の庭
村上隆にとってコレクションとは「限界への挑戦」でもあります。美術館エントランスの大空間、グランドギャラリーでは、大型彫刻やインスタレーションが林立し、観客を迎えます。資本主義と芸術の拮抗、欲望と芸術の関係が不確定なものに金銭を出すという行為について問いかけます。
アンゼルム・キーファー/マウリツィオ・カテラン/張洹(ジャン・ホァン)/奈良美智/グレイソン・ペリー/マルティン・ホナート ほか
日本・用・美
ここでは、日本を中心とする東洋陶磁や近代陶芸の優品、江戸期の絵画や史料類が整然と陳列されます。生活の中の日本美、その淵源のひとつとしてのヨーロッパの雑器まで、美の根源を探索する村上隆の眼差しをたどります。
曾我蕭白/白隠慧鶴/仙厓義梵/北大路魯山人/川喜田半泥子/縄文土器/李朝陶磁器/スリップウェア ほか
村上隆の脳内世界
グラフィティ絵画からアンティーク家具、陶製のビールジョッキやペタンクの玉まで、ありとあらゆるものがカオティックに展示された、「玉石混交」かつ「ノーロジック」な世界。村上隆の脳内を覗くような不思議な体験空間です。
アンティーク家具/雑貨/絵画/オブジェ ほか
スタディルーム&ファクトリー
美術教育、歴史、価値の創造(あるいは捏造)、価値の成立(メカニズム)、労働と対価について、参加型の作品や映像インスタレーション作品を通して考察します。
デイヴィッド・シュリグリー/ミカ・ロッテンバーグ
1950-2015
村上隆のコレクションの主要な柱である1950年代から現在までの国内外のアート作品をほぼ制作年に沿って機械的に展示します。戦後から今日にいたるまでのこの時間枠は1962年生まれの村上隆の生きてきた時間でもあります。これらの作品を通じ、村上隆の幼少時代の原体験や若き日に受けた影響だけでなく、既存の美術の流れとは異なる村上独自の美術史の文脈についても考えます。
ヘンリー・ダーガー/アンディ・ウォーホル/荒木経惟/篠山紀信/ホルスト・ヤンセン/李禹煥/川俣正/ダグ&マイク・スターン/ホルト・ケンテル/大竹伸朗/スティーヴン・パリーノ/アンゼルム・ライラ/ガブリエル・オロスコ/マーク・グロッチャン/ダミアン・ハースト/フリードリッヒ・クナス/ヒュー・スコット=ダグラス/菊畑茂久馬/谷口真人/吉村大星/畠山直哉/竹内公太/ワリード・ベシュティ/ジャン=リュック・ムーレーヌ/フランク・ベンソン、ほか