【特集展示】歿後30年:長谷川潔の版画 Kiyoshi Hasegawa:master Prints
【特集展示】歿後30年:長谷川潔の版画 展示風景

展示風景

 横浜美術館では、横浜に生まれてフランスで活躍した版画家・長谷川潔[はせがわ・きよし]の作品を、体系的に収集してきました。
 長谷川潔は、1891年(明治24)に現在の横浜市西区御所山に生まれ、10歳までこの地に過ごしました。雑誌や単行本の装丁・挿絵の制作や、1916年(大正5)の日本初の版画家団体「日本版画倶楽部」の結成などの活動を経て、1918年(大正7)に、銅版画技法の習得のために単身フランスに渡ります。以降、60年余りにわたって、銅版画のさまざまな技法を独力で研究し、版画史上に残る大きな業績と珠玉の名品とを生み出しました。
 長谷川は、渡仏以来、一度も故国に帰ることなく、1980年(昭和55)に89歳でパリに没しました。長年にわたるフランスでの芸術界への多大な貢献に対して、フランス文化勲章をはじめ、多くの賞が贈られています。
 今回、長谷川の没後30周年にあたり、その70年余にわたる創作活動の軌跡をたどることができる代表作25点を展示いたします。「創作版画」のさきがけとなった初期の木版画から、エングレーヴィング、ドライポイント、メゾチントなど様々な技法による作品、そして晩年の諸作まで、長谷川芸術の粋をご堪能ください。