横浜美術館は、この秋、気鋭のアーティスト石田尚志(いしだ・たかし)の新たな創造の現場になります。
石田尚志は1972年東京生まれ。抽象的な線を描き、それらをコマ撮りしてつなげるドローイング・アニメーションで知られています。今回のテーマは「壁」そして「水」。制作スタジオ内にしつらえた巨大な壁に向かってペインティングとコマ撮りが延々と繰り返され、その積み重ねが最終的に、「動く絵」=映像として結実します。また、作家にとって初めての試みとして、粘土を使った立体イメージを制作にとりいれます。なにもない空間にたちあがる粘土の壁と、壁面への描画による画像とを組み合わせ、幻想的な映像をつくりあげていきます。今回の滞在で制作した作品は、2007年2月〜3月に開催するアニメーションをテーマにした映画上映会のなかで上映されるとともに、4月より開催する企画展「みず展」(仮称)に出品されます。
横浜美術館で生まれる新たな創造の現場をのぞいてみませんか?

10:00
-18:00(入場は17:30まで)
会期中常時、スタジオ隣接のラウンジスペースを開放し、制作の様子を映像で中継するほか、過去の石田尚志作品や関連資料を展示します。また、アニメーションの仕組みが体験できるコーナーもあります。

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アーティストとのフリートーク+スタジオ公開]
日曜日(ただし 11/19、12/10、1/21 は休み)
15:00 -18:00(入場は17:30まで)
スタジオを開放し、アーティストと美術館スタッフが皆様をお迎えします。

月曜日、水曜日
10:00 -18:00(入場は17:30まで)
スタジオ内部を見学できます。(アーティスト不在)


11.3
[金・祝] 15:00-
ポルティコ(美術館正面柱廊)、 鑑賞無料
※当日は美術館開館記念日につき全館無料開放します。
石田尚志と足立智美がペインティングとサウンドによるライブパフォーマンスを行います。
足立智美
Tomomi ADACHI|パフォーマー/作曲家。日本とヨーロッパ各地で、ヴォイス、コンピュータ、自作楽器によるソロ演奏、舞台音楽、アマチュアとの大アンサンブル、ヴィデオ・インスタレーションなど幅広い領域で活動している。CDに『ときめきのゆいぶつろん』(nayarecords)、足立智美ロイヤル合唱団『yo』(Tzadik)などがある。

12.17
[日] 15:00-
アートギャラリー1(予定)、 聴講無料
※やむを得ぬ事情により日程・内容が変更となる場合があります。
石田尚志
Takashi ISHIDA
1972年東京都生まれ。世田谷区在住。有機的な線描による抽象絵画の制作過程をコマ単位の撮影によってアニメーション化する映像作家・美術家。窓から光の差す室内の壁面一杯に抽象絵画が展開する映像作品《部屋/形態》(’99)がイメージフォーラム・フェスティバル’99特選。
以降、バッハの同題曲の主題展開を追った愛知芸術文化センター製作による《フーガの技法》(’01)や、カナダ・イメージズ映画祭最優秀国際映画賞受賞作品《椅子とスクリーン》(’02)などが国内外の多くの国際映画祭で上映されている。
また、巻物状の絵画とその絵画の生成映像とを組み合わせた世田谷美術館でのインスタレーション(’03)など、巧緻な線描とその展開の妙、そしてその背後に横たわる行為や時間の堆積が、窒息しそうなほどの濃密な世界を創出する。さらにはサウンドアーティストや詩人といった他分野の表現者とのライブセッションに積極的に取り組むなど、領域を自在に横断しながらの表現活動を展開している。
現在、多摩美術大学講師。
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