澄川喜一 そりとむくり

展覧会概要

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《そりのあるかたち 2018》
2018年 杉 215×85×50cm 
作家蔵 ©Sumikawa Kiichi
撮影:江崎義一

本展は、戦後日本の抽象彫刻を牽引してきた澄川喜一(すみかわ・きいち/1931年生まれ)の、首都圏の公立美術館で開催される初の大規模個展です。最新作を含む約90点の作品・資料によって、60有余年におよぶ澄川の創作活動の全貌を、あらためて回顧します。

彫刻家をこころざして東京藝術大学に進学した澄川は、塑像(そぞう)を中心とする具象表現の基礎を徹底的に学びました。彫刻専攻科を修了後は藝大で教職につきながら数々の作品を発表、やがて、木や石などの自然素材に対する深い洞察をへて、日本固有の造形美と深く共鳴する抽象彫刻「そりのあるかたち」シリーズに展開します。このテーマは、今なお追究し続ける澄川のライフワークとなっています。

一方で、公共空間における造形の分野でも精力的に作品を発表していきます。東京湾アクアライン川崎人工島「風の塔」や東京スカイツリー®のデザイン監修など、都市の巨大構造物に関わる多彩な仕事でも注目されました。横浜市内においても野外彫刻や多くの公共造形物を手がけ、2013年には横浜文化賞を受賞、横浜市や郷里をはじめとして日本各地で文化貢献に尽くしてきました。

具象彫刻にはじまり、やがて先鋭な抽象彫刻に転じつつ、巨大な野外彫刻や建築分野との協働へと創作の領域をひろげる澄川喜一の決定版ともいえる展覧会です。
千年を越す法隆寺など歴史に残る木造建築は、棟梁が山の木を見て、
山の南側で育った木は建物の南側に、北側で育った木は北側に使ったと言われています。
木は生きているのです。
木の声を聞きながら「そりのあるかたち」を削り出したいと思っています。

澄川 喜一
作家略歴
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撮影:内海敏晴

澄川 喜一 Sumikawa Kiichi

戦後において彫刻および公共造形の分野を牽引してきた彫刻家。島根県鹿足郡六日市町(現・吉賀町)に生まれ、山口県立岩国工業高等学校在学中に美術を志す。東京藝術大学彫刻科で平櫛田中(ひらくし・でんちゅう)および菊池一雄に学び、具象彫刻から抽象彫刻、さらには新たな創作領域としての野外彫刻をはじめ、公共空間における造形の分野も切り拓いた。
1970年代後半より「そりのあるかたち」シリーズを展開。自然と対話し、日本の伝統と美意識に根ざしたその造形は、澄川芸術の真骨頂となる。東京藝術大学学長(1995年~2001年)をはじめ、教育者としても多大な業績を残すとともに、公共プロジェクトや文化行政にも貢献。文化功労者に顕彰され、1998年紫綬褒章、1999年紺綬褒章など授章。

作家ウェブサイト


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《木の群れ》1992年
チーク、槐、黒御影石 196×240×42cm
島根県立美術館蔵
©Sumikawa Kiichi

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《そりのあるかたち-1》1979年
欅 135×260×45cm
東京都現代美術館蔵
©Sumikawa Kiichi
撮影:村井修 

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《金波・銀波》2003年
ステンレス、金箔
みなとみらい線馬車道駅
©Sumikawa Kiichi
撮影:江崎義一

基本情報

会期2020年2月15日(土)~5月24日(日)
開館時間10時~18時
*5月の金曜・土曜は20時まで
*入館は閉館の30分前まで
休館日木曜日
主催横浜美術館(公益財団法人横浜市芸術文化振興財団)、日本経済新聞社、神奈川新聞社、tvk(テレビ神奈川)
協力みなとみらい線、横浜ケーブルビジョン、FMヨコハマ、首都高速道路株式会社 

観覧料

一般 1,500円(前売 1,300円 / 団体 1,400円)
大学・高校生900円(前売 700円 / 団体 800円)
中学生 600円(前売 400円 / 団体 500円)
小学生以下無料
65歳以上1,400円(要証明書、美術館券売所でのみ対応)
先行ペア券2,000円
*1セット2枚で2,000円
*販売期間:2019年10月12日(土)~11月22日(金)まで

*団体料金は有料20名以上(団体券は美術館券売所でのみ販売、要事前予約)
*前売券は2019年11月23日(土・祝)~2020年2月14日(金)まで販売
*毎週土曜日は高校生以下無料(要生徒手帳、学生証)
*障がい者手帳をお持ちの方と介護の方(1名)は無料
*観覧当日に限り本展の観覧券で「横浜美術館コレクション展」も観覧可

■チケット取扱い 横浜美術館(前売りはミュージアムショップ
セブンチケット[セブンコード:080-416](セブン-イレブン店内マルチコピー機 もしくはウェブサイト)
イープラス(ファミリーマート店内Famiポート もしくはウェブサイト)
*便利な電子チケット「スマチケ」もご利用いただけます。

関連イベント

記念対談「澄川喜一×深井隆」(澄川喜一展)

澄川喜一と東京藝術大学で澄川に師事した彫刻家・深井隆氏が、木を素材に制作を続ける両者の作品や、大学時代のエピソードなどについて語ります。

日程2020年2月22日(土)
時間14時~15時30分(13時30分開場)
講師澄川喜一、深井隆(彫刻家、東京藝術大学名誉教授)
会場横浜美術館レクチャーホール
定員220名(事前申込不要、先着順)
参加費無料

記念鼎談「澄川喜一×内藤廣×逢坂恵理子」(澄川喜一展)

澄川喜一がセンター長を務める島根県芸術文化センター「グラントワ」や、作品《金波・銀波》が設置されたみなとみらい線馬車道駅を手がけた建築家・内藤廣氏をお招きし、建築と公共空間における美術作品について語ります。

日程2020年3月20日(金・祝)
時間14時~15時30分(13時30分開場)
講師澄川喜一、内藤廣(建築家)、逢坂恵理子(横浜美術館館長)
会場横浜美術館レクチャーホール
定員220名(事前申込不要、先着順)
参加費無料

学芸員によるギャラリートーク(澄川喜一展)

本展担当学芸員3名がそれぞれの視点から展覧会をご案内します。

日程2020年3月7日(土)、4月4日(土)、5月9日(土)
時間いずれも14時~14時30分
会場企画展展示室
参加費無料(事前申込不要、当日有効の本展観覧券が必要)

澄川喜一によるギャラリートーク(澄川喜一展)

作家自らが展示室にて作品や本展について語ります。

日程2020年5月2日(土)
時間14時~15時
会場企画展展示室
参加費無料(事前申込不要、当日有効の本展観覧券が必要)

抽象彫刻の魅力「澄川喜一の世界」(澄川喜一展)

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撮影:内海敏晴

企画展出品作家である彫刻家が、自身の創作について語る貴重な時間です。澄川喜一氏は木、石、金属など様々な素材を扱い、室内彫刻から野外彫刻までの数多くを手がけ、美術教育者としても東京藝術大学で長年教鞭を執り、多くの彫刻家に影響を与えてきました。素材や創作内容について触れながらのレクチャーと展示室での作品鑑賞を通して、澄川氏の彫刻の魅力をご堪能いただきます。
コース番号・日程 [59] 2020年2月23日(日・祝)【全1回】
時間14時~16時
講師澄川 喜一(彫刻家)  
会場横浜美術館市民のアトリエ、企画展展示室
対象12歳以上
定員
20名(応募者多数の場合は抽選)
参加費 2,500円 ※会期中に使える展覧会チケット付
申込方法(1)申込みフォーム
(2)往復はがき
申込締切2020年2月3日(月) ※必着
澄川 喜一(すみかわ きいち)
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澄川喜一
《そりのあるかたち 2018》
2018年、杉、215×85×50cm、作家蔵 ©Sumikawa Kiichi 
撮影:江崎義一

1931年 島根県生まれ。彫刻家。元東京藝術大学学長、島根県芸術文化センター「グラントワ」センター長、島根県立石見美術館館長。新制作協会会員。'70年代半ばより「そりのあるかたち」シリーズの彫刻発表。'98年 紫綬褒章、以降、紺綬褒章、恩賜賞・日本芸術院賞などを授与される。2004年 芸術院会員、’08年 文化功労者となる。東京スカイツリー®のデザイン監修をはじめ、日本全国で公共彫刻も多数手がける。