横浜美術館コレクション展 2019年1月4日(金)-3月24日(日)
リズム、反響、ノイズ

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中平 卓馬(1938-2015) 《サーキュレーション―日付、場所、イベント》
1971(昭和46)年(2003年のプリント) ゼラチン・シルバー・プリント 32.5×42.6cm   中平卓馬氏寄贈

■展示構成
I.それは100年前にはじまった―抽象の実験
II. ひびきあうかたちと引っ掻かれたかたち―戦後の前衛
III. ひらかれるかたち―1990年代以降の日本画を中心に [特集:荘司福《春律》]
IV. 反復のかたち
[ホワイエ]特集:宮川香山
[グランドギャラリー]近代彫刻    

展覧会概要

今期のコレクション展では、同時期開催の企画展「イサム・ノグチと長谷川三郎―変わるものと変わらざるもの」に合わせて、クロスジャンルな芸術家たちの交流と、20世紀を通して現代へと至る抽象的な美術表現の展開に焦点をあてた特集展示「リズム、反響、ノイズ」を開催します。   

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ガブリエーレ・ミュンター(1877-1962)
《抽象的コンポジション》 1917年
油彩、板 23.4×59.4cm

20世紀以降の美術を語るとき、それ以前の表現と区別する最も大きな造形上の変化は、抽象的な表現の誕生にあるといえるでしょう。スイスやドイツで始まったダダや、ロシアの構成主義、フランスのキュビスムやイタリアの未来派など、およそ100年前のヨーロッパで同時多発的に発生した抽象的・幾何学的な絵画や彫刻の造形上の実験は、20世紀を通じて、日本はもとより世界中のさまざまな前衛芸術運動に継承されていきます。     

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佐藤 亜土(1936-1995)
《虹の森》 1989(平成元)年
シルクスクリーン(7点組) 各87.6×45.2cm
佐藤亜土氏寄贈

こうした20世紀初頭の実験的な芸術運動はまた、美術家だけが牽引したものではなく、詩人や音楽家たちとの協働で実践されました。秩序だった和声に基づく音楽を解体した無調音楽や、言語をその意味から離脱させた音響詩や視覚詩など、音楽や文学における解体と再構成による抽象的・革新的な表現は、美術と連動するように生まれます。さらに、19世紀後半の技術的発展を経て、重要な表現技法のひとつになった写真と、新たに発明された映像とが加わり、20世紀初頭のヨーロッパでは、現代へ連なる多様な芸術表現の素地が、一斉にかたちづくられていったのです。     

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マコト・フジムラ(1960年生まれ)
《復活2》1992(平成4)年
岩絵具、膠、麻紙、箔、砂子
各90.0×30.0cm(22枚)、200.0×15.0cm、10.0×160.0cm
《Junan Panel Series #32》1991(平成3)年
岩絵具、膠、麻紙 25.0×25.0cm
いずれも、賛美小舎 上田國昭氏・上田克子氏寄贈

本展は、これら20世紀初頭のヨーロッパで、革新的な表現を切り拓いた作家たちの作品にはじまり、20世紀後半の日本でその前衛の精神を受け継いだともいえる具体美術協会や、写真表現におけるアレブレなど、戦後の前衛的な作品の展示へと続きます。さらに1990年代以降の日本画における革新的な試みや、現代を生きる美術家たちの作品を紹介します。
リズムと反響、ノイズなど、解体された音楽の要素さながらに、色彩と形態に解体され、抽象化や再構成が試みられていった20世紀以降の多様な美術の表現をお楽しみください。

[同時期開催]
イサム・ノグチと長谷川三郎―変わるものと変わらざるもの
会期:2019年1月12日(土)~3月24日(日)
*開館時間、休館日はコレクション展と同一です。 

本展のみどころ

  • 企画展と関連したテーマを設定。コレクション展を通じて、企画展をより楽しむ!
    クロスジャンルな活躍をしたイサム・ノグチと、日本における抽象絵画の先駆者のひとりである長谷川三郎。本展では、二人と同じ時代を生きた作家たちによる、欧米と日本の抽象的な表現の作品を紹介します。

  • 八木良太のヨコハマトリエンナーレ2011出品作を、新たな展示で紹介
    横浜美術館をメイン会場の一つに、3年に一度開催される現代美術の国際展「横浜トリエンナーレ」。その2011年展で発表された作品《ポルタメント(ヴァイオリン、ホーメイ、シンセサイザー)No.2》を、装い新たに大型の映像インスタレーションとして紹介します。また、八木によるトークとパフォーマンス、親子で楽しむワークショップも実施します。
    ※本作は2018年度の「コレクション・フレンズテーマ作品です。

  • フォト・ヨコハマ関連企画として写真・映像作品に注目!
    2019年1月から3月にかけて、横浜市内各所で開催される写真や映像に関するイベント「PHOTO YOKOHAMA(フォト・ヨコハマ)」のパートナー・イベントとして、多数の写真や映像作品をお楽しみいただきます。
    「フォト・ヨコハマ2019」公式サイトはこちら

基本情報

会期2019年1月4日(金) ~ 3月24日(日)                                            
開館時間    10時~18時
*2019年3月2日(土)は20時30分まで
*入館は閉館の30分前まで
休館日       木曜日(2019年3月21日[木・祝]は開館)、1月11日(金)、3月22日(金)
主催横浜美術館[公益財団法人横浜市芸術文化振興財団]

観覧料

一般500(400)円                   
大学・高校生300(240)円                     
中学生100(80)円
小学生以下無料

*( )内は有料20名以上の団体料金(要事前予約)
*毎週土曜日は、高校生以下無料(生徒手帳、学生証をご提示ください)
*障がい者手帳をお持ちの方と介護の方(1名)は無料
*毎月第3月曜日は横浜市在住の65歳以上の方無料(「濱ともカード」をご提示ください)
*企画展ご観覧当日に限り、企画展の観覧券でコレクション展もご覧いただけます。  

関連イベント

アーティストトーク&パフォーマンス(コレクション展2019年1月4日[金]-3月24日[日])

出演八木良太(本展出品作家)
日程2019年1月20日(日)
時間14時~15時30分(13時30分開場)
会場横浜美術館円形フォーラム
定員100名(申込不要、先着順)
参加費無料
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八木良太(1980年生まれ) 《ポルタメント(ヴァイオリン、ホーメイ、シンセサイザー)No.2》 2006/2011(平成18/23)年
オブジェ(陶器、LPレコード)、ビデオ(7分14秒/7分16秒/7分11秒、サウンド、ループ) サイズ可変

ギャラリートーク(コレクション展2019年1月4日[金]-3月24日[日])

さまざまな切り口で、学芸員やエデュケーターが作品の見どころや楽しみ方を紹介します。

日程2019年1月25日、2月8日、22日、3月8日 いずれも金曜日
時間いずれも14時~14時30分 
会場コレクション展展示室
参加費無料(事前申込不要、当日有効の観覧券が必要)

子どものアトリエ・親子講座「音をつなげる、音をひっかく」
(コレクション展2019年1月4日[金]-3月24日[日])

コレクション展出品作家の八木良太さんといっしょに、展示室で作品を見たあと、録音・再生装置をつかい、きったり?はったり?音であそんでみよう!

講師八木良太(本展出品作家)
日程2019年1月19日(土)
時間13時30分~15時30分(13時15分開場)
会場横浜美術館子どものアトリエ
対象小学校1~6年生と保護者
定員20組(1組3名まで)※要事前申込み、応募多数の場合は抽選
参加費親子2名で2,000円(ひとり追加で+500円)
申込方法以下の申込フォームより ※2018年11月20日(火)正午より申込受付開始
申込フォームはこちら

※お申込1組につき1つのメールアドレスが必要です。同じメールアドレスで複数組のお申込はできませんのでご注意ください。
申込締切2018年12月20日(木)


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左)八木良太氏パフォーマンスの様子 撮影:顧剣亨  中)撮影:表恒匡