活動報告:「着物地でつくる花」-端切れが彩り豊かな花に生まれ変わる

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202264日、横浜美術館長期休館中の仮拠点「PLOT 48」での「やどかりプログラム」、「着物地でつくる花」を開催しました。
その活動の様子をレポートします。

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講師には、アーティスト、デザイナーの伊東純子さんをお迎えしました。
伊東さんは、2009年にオリジナルブランド「un:ten」(アンテン)を立ち上げ、衣装などの注文服やアート作品など、布を使って様々なものを制作しています。
たくさんの着物を譲り受けたことをきっかけに、着物をほどいた生地で一点物の洋服を仕立てるようになりました。

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着物生地には幅が狭いという制約や、かつての汚れやしみが残っている場合もありますが、それさえも活かしながら、デザインを工夫し、使わなくなったものから現代の生活に合うものへとアップサイクルしています。
そのような制作を繰り返すうちに、伊東さんはresilience(レジリエンス=自発的治癒力 抵抗力、復元力、再起力)を意識するようになったと言います。
また、様々な着物生地に触れるうちに繊細な手仕事に魅了され、この生地を余すことなく使いきりたいと思い、端切れを活用して花をつくるようになったそうです。
今回は、参加者の皆さんと一緒にバラの花づくりに挑戦します。

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伊東さんにご用意いただいた生地から、まずは好きなものを選びます。
生地の全面には糊が塗ってあり、花の形を成形しやすくするための準備がしてあります。

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次に、生地のどの部分を活かすかを考えながら、型紙を鉛筆で写していきます。
今回は、花びらを16枚と、がくを1枚、茎の部分を準備します。

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形を写しとったら、はさみで切り抜いていきます。

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一通り切り抜けたら、どの順番に花びらを重ねていくかを考えます。
この順番次第で花の表情が大きく変わるので、楽しい工程です。

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続いて、コテを使って熱を加えながら、花びらに丸みをつけていきます。
ほとんどの方が初めて使うコテにドキドキしながらの作業です。
中には生地が焦げてしまうハプニングもありましたが、成形すれば見えなくなる部分なので問題ありません。

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次に、「へり返しコテ」という別の形のコテをあて、花びらの縁の部分をカールさせます。
だんだんと布地が植物らしく繊細な姿に変化してきました。
がくの部分は、手でよじって形を整えます。

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パーツが準備できたら、いよいよ形をつくっていきます。
発泡スチロールの芯に針金を通したものを軸にして、ボンドで花びらを貼り付けていきます。

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ボンドを乾かしながら順に花びらを貼り付けます。
内側から外側への花びらの開き方や、貼り付ける高さ、根元のふくらみに気を配りながら、バラらしい形を追求していきます。

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茎の部分にも布を貼り付けたら、完成!
コサージュにしたい場合は、ブローチピンを茎の部分に取り付けます。

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全員分を並べると、とても華やかです!
参加者の中には同じ生地を選んだ方もいましたが、生地の使い方、成形や貼り付け方の違いで、それぞれに個性のある、美しい花がたくさん完成しました。

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最後に参加者の皆さんに感想をお聞きしました。
普段から着物やものづくりへの関心が高い方が多く参加されていたようです。
今回のプログラムも楽しく、時間があっという間だったとお話してくださいました。

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また、ご家族や親せきから受け継いだ着物の活用を検討している方からは、今回の活動が刺激になったとお話いただきました。

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古い着物地から再生された花が、生活を豊かに彩ってくれますように。
ご参加いただいた皆様、伊東さん、どうもありがとうございました!

(市民のアトリエ担当)

[やどかりプログラム「着物地でつくる花」 2022/6/4(土)13:3016:30