季節のご挨拶

1989年(平成元年)に開館した横浜美術館は平成最後の今年、30周年を迎えます。 30年間の皆様のご支援・ご協力に対し改めて御礼申し上げます。

横浜美術館は、横浜みなとみらい21地区で 開催された「横浜博覧会(YES’89 )」に合わせて竣工し、11月3日に美術館として正式開館しました。
当時は周囲に建物がなく、孤立した美術館から海が一望できるほどでした。みなとみらい21地区の発展や社会状況の劇的な変化に伴い、横浜美術館は平成の時代とともに変化を受容しながら、進化し歩んできたと言えます。その道は決して平坦ではありませんでしたが、「どのような時代も美術は社会や人生に不可欠であり、美術館は社会への架け橋である」という思いを多様な事業を通して実現してきました。

30周年の年間テーマは「美術でつなぐ人とみらい 」です。
今年の3本の企画展のテーマはコレクション。美術館活動の根幹を成し、美術館を特徴づける多様なコレクションを紹介します。春はゲスト・アーティストとともに全館、横浜美術館のコレクション展を開催 。夏は横浜の実業家、原三溪が収集した伝説の大コレクションを一堂に集めます 。秋・冬は画商ポール・ギョームらが収集した個人コレクションを核としたパリのオランジュリー美術館展。印象派やエコール・ド・パリの秀作が揃います 。 
また、こどもから大人まで、学校連携、市民協働を充実させた教育事業も実施します。
更に、今年は当館の写真のコレクションの海外での展覧会が予定されています。長年目指してきた海外への発信が、ようやく実現するのは嬉しい限りです。
年間を通して、シンポジウム、記念書籍の出版、記念企画商品の販売など、30周年の特別プロジェクトが目白押し。10月末発行予定の記念書籍は、単なる記録集ではなく魅力ある執筆者を配して創造的な充実を図ります。鈴木理策さん撮りおろし写真や、アーティスト・イン・レジデンスならぬライター・イン・レジデンスで岡田利規さんや朝吹真理子さんにもご執筆頂きます。 今までご支援、ご来館いただきました皆様に感謝を込めて、今年も横浜美術館の魅力を発信して参ります。どうぞご期待ください。



平成31年(2019年)4月
横浜美術館 館長 逢坂恵美子

OSAKA Eriko, Director

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