横浜美術館 横浜美術館コレクション展 2004年11月24日(水)-2005年3月23日(水) Yokohama Museum of Art  Museum Collection 3  November 24(Wed) , 2004- March 23(Wed), 2005
コレクション展について Museum Collection
日本画における幻想的な風景 Fantastic Scenes in Modern Nihonga Painting
現代ガラスの不思議な形 Fantastic Forms in the Contemporary Glass
変容するイメージ−シュルレアリスムの絵画と彫刻 Metamorphosis of Images:Paintings and Sculpture of Surrealism
版画のなかの幻想的な世界 Visionary World in Prints
シュルレアリスムと写真−実験的な技法と表現 Surrealism and Photography: Innovative Technique and Expression
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シュルレアリスムと写真−実験的な技法と表現 Surrealism and Photography: Innovative Technique and Expression
マン・レイ《カザティ公爵夫人》
マン・レイ《カザティ公爵夫人》 Man RAY  Marquise Casati  1922

 1920-30年代にかけて、シュルレアリスムの影響を受けた写真家たちは現実を忠実に記録するだけではない写真の表現力に着目しました。シュルレアリスムの画家たちは、自動筆記など偶然性を取り入れることによって無意識の世界を描き出し、人間の持つ本能や欲望を表現しようと模索しました。写真においても、様々な実験的手法を通してそのような表現が試みられました。マン・レイの《カザティ侯爵夫人》は偶然起こったブレを取り入れた作品です。目が幾重にもなって写し出されたこのポートレイトは魂の肖像として夫人にたいへん気に入られました。また彼は多くの作品にソラリゼーションというネガ・ポジを反転させる手法を用い、現実と夢の狭間の世界を視覚化しました。日本においても、瑛九(えいきゅう)や本庄光郎(ほんじょう・こうろう)らが、カメラを使用せず印画紙上に映像構成するフォトグラムや、撮影時やプリント時に複数のイメージを重ね合わせる多重露光など、実験的な手法を取り入れ、不思議なイメージを作り出しています。
 一方、カメラの特殊な技法に頼るのではなく、被写体を選ぶことによって無意識の世界へアプローチする作家もいました。ブラッサイはクローズアップやフレーミングによって対象を別のものに見立てました。また、ベルメールの作品に見られるように、女性や人形は、自由や欲望の象徴として、たびたび被写体となりました。

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