横浜美術館 横浜美術館コレクション展 4月7日(水)-6月30日(水) Yokohama Museum of Art Collection 1 April 7 (Wed)-June 30 (Wed)
コレクション展について
日本画-近代の風俗画
19世紀ヨーロッパの美術-フランスを中心に
横浜ゆかりの画家たち-戦後から現代まで
横浜ゆかりの版画家たち-戦後から現代まで
日本の肖像写真-戦前から現代まで
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日本画-近代の風俗画
 人々の日常生活を主題とする風俗描写は、古代の落書に始まり、平安時代には四季の風景の中に年中行事などが、鎌倉時代には絵巻の中に人々の日常生活が描かれました。室町時代には花鳥画と並んで風俗画が成立し、江戸時代には肉筆浮世絵の美人画が生まれました。そしてこの伝統は明治・大正期から昭和初期にかけて、鏑木清方(かぶらき・きよかた)や山村耕花(やまむら・こうか)らに受け継がれていったのです。
 明治期の日本画家水野年方(みずの・としかた)に師事した鏑木清方は、失われゆく江戸や明治の風俗を、愛惜の念をこめて描きました。《暮雲低迷(ぼうんていめい)》には暮れなずむ風景の雲間に、絵巻物のごとく庶民の生活が点景として描かれています。谷崎潤一郎の小説を題材とした《遊女》は、火鉢にもたれかかる艶(あで)やかな遊女を屏風の下半分に配し、人物の動きと屏風の屈曲を重ね合わせて、空間を立体的に見せています。清方の門下からは、伊藤深水(いとう・しんすい)、寺島紫明(てらしま・しめい)らの風俗描写に長(た)けた画家たちが輩出しています。
 山村耕花は、大正・昭和初期という時代を反映した新しい題材を大胆な構図で描き、風俗画に新境地を開きました。《婦女愛禽図(ふじょあいきんず)》は、中国の陶俑をおもわせるような優美な女性を、明るく開放的な風景のうちに描き出しています。
 中島清之(なかじま・きよし)は、明快な構図で生活に根差した光景を描きました。《椿笑園(ちんしょうえん)の主人たち》には、戦前・戦後にかけて国会議員をつとめた鈴木憲一と書道家の鈴木小江(すずき・しょうこう)夫妻の邸宅の、のどかな情景が描写されています。
中島 清之《椿笑園の主人たち》昭和45年 中島 清之《椿笑園の主人たち》昭和45年

Nakajima Kiyoshi [ The owners of Chinsho-en Gardens ] 1970

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