ノンセクト・ラディカル 現代の写真III

展覧会概要

「現代の写真」のシリーズの第3回となる「ノンセクト・ラディカル」展では、国内外の9名の作家、アハラム・シブリ(パレスチナ)、アンリ・サラ(アルバニア)、スティ-ブ・マックィ-ン(イギリス)、ダヴィッド・クレルボ(ベルギー)、奈良美智、石川真生、高嶺格、米田知子、露口啓二による、写真はもとよりビデオなど動画の映像を併せて、約240点の作品を展示紹介します。本展のタイトル「ノンセクト・ラディカル」は、60年代から70年代の初めにかけて、我が国で盛んに使用された和製英語です。当時激化していた学生運動をはじめとする政治運動の中にあって、運動組織=セクトに属さず、かといって政治に無関心でないばかりかむしろラディカルな姿勢で社会問題に取り組むことを指しています。ここでは、そうした態度に見られる現実への取り組みを、参加作家の作品を通して今一度捉え直そうとするものです。イデオロギーなき時代を迎えたまま新たな世紀に入るなかで、わたしたち一人ひとりの価値判断の重要性が問われようとしています。現実の世界を素材とする写真や映像の作品においても、作家が如何に同時代の現実と向き合うかといった態度そのものが、真摯に問われるべき課題となっています。

ここで紹介する作品には、政治的なメッセージが直接込められているわけではありませんが、そこには様々な文脈が流れています。どういった文脈を引き出すか、鑑賞者それぞれに委ねられています。そして、そうした作品との対話の場を組織することも、本展の狙いの一つです。