2018年度

テーマ作品

1. 【日本画】  小倉 遊亀(1895-2000)《良夜》
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1957年 紙本着色 140.0×97.0cm

横浜の女学校で教鞭を執りながら画家を志した小倉遊亀(おぐら・ゆき)は、日本美術院を活動の場とし、人物や静物などを大胆にデフォルメした作品で高い評価を得ました。本作は、一見するとひとりの裸婦が大きく描かれているのみですが、肌の陰影が彼女の受ける白い光を際立たせ、画面の外で煌々(こうこう)と輝く月の存在を暗示しています。単純化され、最小限の線描で表されながらも生命力にあふれる人物像は、対象のかたちを独自の感覚で捉えなおすことによって、その本質に迫ろうとした作家のひとつの到達点といえるでしょう。  
2. 【彫刻・立体】 工藤 哲巳(1935-1990)《あなたの肖像》
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1974年 鳥籠、石膏、合成樹脂 30.2×34.3×22.7cm
©ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2017 C1752

工藤哲巳(くどう・てつみ)は、戦後の前衛美術の中で「反芸術」と呼ばれる傾向の代表者のひとりです。性や公害、原子力など人間の生存に関わる根源的な問題やタブーに斬り込もうと、挑発的なハプニングや、既成品を組み合わせた奇怪な立体作品を制作しました。《あなたの肖像》の「あなた」には、作品の鑑賞者、既成の価値観に縛られた私たち、また作品の最初の鑑賞者たる作家自身、さらには放射能による環境汚染から逃れられない人類など、さまざまな意味が込められています。
3. 【版画】  ポール・ゴーギャン(1848-1903)《ナヴェ・ナヴェ・フェヌア(かぐわしき大地)》
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1893-94年 多色木版、ステンシル 35.5×20.5cm

1893年、最初のタヒチ訪問から帰国したゴーギャンは、滞在記『ノア・ノア(かぐわしい)』のための版画制作にとりかかりました。その一点にあたる本作には、旧約聖書の物語が重ねられ、イヴをそそのかす蛇は大きな翼をもつトカゲに、禁断の果実は孔雀の羽に似た花に、原罪に手をそめるイヴは健康的なタヒチの女に転身しています。ヨーロッパ文明から身をもぎ放してでも、画家が手に入れたいと渇望した野性の生命力が、木版画の力 ―荒々しい刻線、素朴な色遣い― に乗り移ったような作品です。
4. 【工芸】  藤田 喬平(1921-2004) 《飾筥「室町の花」》
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1988年
ガラス(型吹き、腐蝕)、プラチナ箔、銀覆輪 
14.0×25.5×25.5cm 藤田喬平氏寄贈

日本の伝統的な美意識をガラスで表現することを目指した藤田喬平(ふじた・きょうへい)。「飾筥(かざりばこ)」シリーズは、豪華絢爛な装飾と現代に通じるデザイン性をもちあわせた琳派の世界観をとり入れた代表作です。「この箱に何を入れるのか」と問われた際、「夢を入れます」と応えた作家の言葉とともに、「ドリーム・ボックス」として世界に知れ渡りました。透明なガラスダネに色ガラスとプラチナ箔を巻き取り、吹きガラスの手法でつくられた本作で、藤田は硬質なガラスを柔軟な華やぎに変幻させました。
5. 【日本洋画】 中西 夏之(1935-2016) 《白・緑より白く―Ⅱ》
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1988年 油彩、カンヴァス 227.3×171.9cm

本作は、「白・緑より白く」と題されたシリーズの一作で、宙吊りにされたカンヴァスに、2mにおよぶ長い柄の絵筆を使って描かれました。基調を成すグレーの上に、白い筆触が網目のように散らばり、その透き間から眩(まばゆ)いばかりの緑色が浮かび上がります。画面の中央に走るのは、巨大な円弧の一部としての弓形の線。中西夏之(なかにし・なつゆき)は、絵画を地表に垂直にある皮膜ととらえ、空間と身体、そして光(色彩)と絵画の関係について、生涯深い考察を続けました。
6. 【西洋画】  ヴァシリィ・カンディンスキー(1866-1944)《網の中の赤》
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1927年 油彩、厚紙 61.0×49.0cm

直線、三角形、矩形(くけい)、三日月形といった幾何学的な形象が組み合わさって、調和に富んだ画面が作られています。ドイツの総合芸術学校バウハウスへの赴任(1922-33年)を契機に、カンディンスキーの絵画は、それまでの表現主義的抽象から幾何学的抽象へと大きく転換しました。しかし、そのバウハウス時代の半ばに制作された本作も、多様な形態や柔らかな色彩表現によって、構成主義絵画の厳格さとは一線を画するこの画家特有の抒情性を色濃く留めています。
7. 【写真・映像】  八木 良太(1980年生まれ) 《ポルタメント(ヴァイオリン、ホーメイ、シンセサイザー)No.2》

八木良太(やぎ・りょうた)は、音を可視化し、形を音に置き換えるようなシステムを創出、音楽と視覚芸術、言葉などの境界線を曖昧にして、固定概念を転換させるような作品を制作しています。「ポルタメント」シリーズは、レコード盤をろくろに見立てて磁土を回転、レコードから流れる3つの楽器が奏でる音楽が、それぞれどのような造形を生み出すのかを探る、音と造形の狭間(はざま)にあるような作品です。3つの音は、それぞれ独奏であると同時に、展示空間の中で交じり合うアンサンブルにもなります。

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2006/11年 
オブジェ(陶器、LPレコード)、
HDビデオ ( 7’14”、7’16”、7’11” ループ[ed.AP] )

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参加者特典


ご支援期間中に以下の特典をご提供します。

  1. 横浜美術館内および横浜美術館ウェブサイトにお名前を掲出します。(希望者のみ)

  2. 参加者1名につき1枚、会員番号および参加口数が記載されたフレンズカードを発行します。(本人のみ使用可)

  3. フレンズカードのご提示で、横浜美術館コレクション展に何度でもご入場いただけます。
    (参加口数と同等の人数で利用可。 例:2口参加→本人含め2名入場可)

  4. 横浜美術館の各企画展招待券を進呈します。
    (各展、参加口数と同等の枚数を進呈。 例:2口参加→各展2枚進呈)

  5. 横浜美術館コレクション展の会期ごとにコレクション・フレンズ参加者を対象とした特別イベント 「コレクション・フレンズ ギャラリートーク(学芸員の解説付き鑑賞会)」へご招待します。
    (参加口数と同等の人数で参加可。各回定員制。要事前申込。)

  6. ご支援期間中に2回(前期1回、後期1回)「コレクション・フレンズ レクチャー&交流会」へご招待します。
    (同伴2名まで参加可。各回定員制。要事前申込。)

  7. フレンズカードのご提示で、ミュージアム・カフェ「Café小倉山」のメニューを10%割引でご提供します。

  8. 3口以上ご参加の方には上記と併せて下記の特典もご提供します。

  9. 横浜美術館の各企画展オープニング内覧会へご招待します。(本人のみ)

  10. 横浜美術館の各企画展カタログを1冊進呈します。

参加方法

参加費1口 10,000円(消費税は対象外につき掛かりません。)
※複数口のご参加も承ります。
支援期間2018年4月1日~ 2019年3月31日
募集期間2017年12月1日~ 2018年11月30日
特典利用期間2018年4月1日~2019年3月31日
※2018年4月1日以降にご参加の場合は、受付完了日~2019年3月31日まで

以下のフォームからお申込みのうえ、後日郵送する郵便局の振込用紙にて、参加費をお支払いください。

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参加規約

お申し込みの前に、必ず「横浜美術館コレクション・フレンズ2018 規約」をお読みください。 
横浜美術館コレクション・フレンズ2018規約 [489KB]