2017年度

テーマ作品

1. 【日本画】  小茂田 青樹(1891-1933) 《ポンポンダリヤ》
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1922年 絹本着色、一幅 78.9×56.0cm

小茂田青樹(おもだ・せいじゅ)は、原三溪(はら・さんけい)に支援された画家のひとりで、写実的な描写のなかに装飾性を追求しました。色とりどりのポンポンダリヤが、中国・元時代景徳鎮窯(けいとくちんよう)の名品《青花魚藻文壺》(せいかぎょそうもんつぼ)に生けられた本作では、花びら一枚一枚が克明に描かれたダリヤの柔らかな風合いが、水中を見るかのごとく描写されたやかな磁器の質感と重ねられています。当時、帝室博物館(現・東京国立博物館)に展示されていた壺と、日ごろから植物や小動物を写生していた庭先で捉えただろうダリヤの組み合わせ。画家の想像力が生み出した、静謐ながら豊かな詩情を湛えた作品です。
2. 【日本洋画】 岡田 謙三(1902-1982)《垂直》
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1964年 油彩、カンヴァス 265.8×198.4cm

緑と茶、白と灰色の淡い色彩が織りなす大胆な画面構成。中央を貫く白い帯は、能舞台のシテ柱に見立てたものとも言われます。横浜に生まれ、二科会を主な活躍の場とした後、48歳でニューヨークへ渡った岡田謙三(おかだ・けんぞう)。抽象表現主義が席巻する当時のアメリカで、独自の色彩感覚や自然観に根ざした作品を発表し、確固とした地位を築きました。日本の伝統芸術への理解と共感に裏打ちされたみずからの表現を、「幽玄」の語をとって「ユーゲニズム」と名づけたその世界観が、存分に発揮された一作です。
3. 【版画】  駒井 哲郎(1920-1976) 《思い出》
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1948年 ドライポイント、ソフトグランド・エッチング 22.3×19.0cm
©Yoshiko Komai 2016 /JAA1600185

ソフトグランド・エッチングによりモチーフの持つ凹凸感が版に直接転写された、レースや木の葉。そこに星座やを想起させるドライポイントの点や線が描き加えられ、二つの技法が生み出す効果の響き合いは、神秘的なイメージをもたらしています。駒井哲郎(こまい・てつろう)は14歳で銅版画に出会い、白と黒の豊かな世界に魅了されました。この作品を制作した頃は、フランス文学を耽読(たんどく)しながら精神世界の視覚化を目指していました。やがて日本における銅版画のパイオニアとして活躍する作家の、瑞々しい感性が表れた一点です。
4. 【工芸】  カーティス・ブロック(1961年生まれ) 《水晶》
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1989年 ガラス(宙吹き、カット、研磨、サンドブラスト、エッチング) 56.0×48.0×43.0cm

ブロックはニューメキシコ州生まれのガラス作家。現在も、テネシー工科大学附属アパラチア工芸センターで教鞭を執っています。《水晶》では、石と見紛う肌合いのガラスの塊が、キラキラ輝くカットガラスを抱きしめているようです。永い年月をかけて岩石をまろやかに研磨し、精緻な結晶体を生み出す自然の神秘。「石や鉱物は、地球のを示す時計みたいなものだ」とはブロックの言葉です。ひっそりとしたまいのうちに、自然に寄せる作家の敬愛が充ちあふれています。
5. 【ヨコトリ・スペシャル】 ハーヴェイ・R・マークス(1821-1902) 《栄力丸船員 亀蔵(COMMETHO)》
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1850-51年 ダゲレオタイプ(銀板写真) 9.0×6.8cm

嘉永3(1850)年、江戸を出帆した漁船・栄力丸(えいりきまる)が嵐にあい難破。漂流の末、乗組員17名はアメリカ商船に救助され、サンフランシスコに上陸します。当地の写真家マークスによって撮影された彼らのポートレートは、「最初に写された日本人の写真」と言われ、この「亀蔵(かめぞう)」を含め、同様の肖像写真7点の存在が確認されています。撮影に用いられているのは、当時世界的に普及していた最初期の写真技法・ダゲレオタイプ(銀板写真)です。
6. 【西洋画】  オットー・ディックス(1891-1969) 《仔牛の頭部のある静物》
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1926年 テンペラと油彩の混合技法、板 100.0×70.0cm
©VG BILD-KUNST, Bonn & JASPAR, Tokyo, 2016 C1203

第一次大戦後、ドイツの新即物主義を代表する画家ディックスの数少ない静物画のひとつです。仔牛の頭、カリフラワー、キャベツなどが載る質素な卓、アマリリスを生けた水差し、そして両者をつなぐ破れた古布が、16世紀風の古典的技法で克明に描かれています。静物画の伝統的寓意「死を覚悟せよ」のモチーフ髑髏に代わり、血をらせる仔牛の半開きの眼が、塹壕戦(ざんごうせん)を生き延びた作者の体験を想起させます。
7. 【彫刻】  オシップ・ザツキン(1890-1967) 《オルフェウス》
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1948年 ブロンズ 204.5×75.0×60.0cm ©ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2016 C1213

べラルーシ出身で日本とも関係の深い彫刻家ザツキンの代表作。冥府に下り、詩と音楽の力で亡き妻を連れ戻そうとしたオルフェウスの神話は、1930年代から40年代に前衛芸術家の間で神秘的創造力の物語として注目されました。いまだ両足先を闇の中に浸して歩みつつ、腰をって振り返るオルフェウスの姿態は、ザツキンが偶然見つけたX字形の木片から着想されたものです。
8. 【写真】 石内 都(1947年生まれ) 《絶唱、横須賀ストーリー》より「本町」「久里浜」
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1977年 ゼラチン・シルバー・プリント 45.5×55.8cm
©Ishiuchi Miyako

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1977年 ゼラチン・シルバー・プリント 45.5×55.8cm
©Ishiuchi Miyako

本シリーズは、石内都(いしうち・みやこ)が1977年の同名の個展に出品したデビュー作であり、写真界に鮮烈な印象で迎えられました。横須賀は、石内が少女時代を過ごした街であり、作家にとってはいつまでも馴染むことのできなかった場所として、その身に深く刻まれているといいます。銀塩写真特有の黒い粒子に満たされた、荒々しい肌触りをもつプリント一枚一枚には、戦後日本のが溜まったような土地、横須賀に対する、石内の複雑な思い―思春期の痛み、私的なノスタルジー―が表れています。

参加者特典


ご支援期間中に以下の特典をご提供します。

  1. 横浜美術館内および横浜美術館ウェブサイトにお名前を掲出します。(希望者のみ)

  2. 参加者1名につき1枚、会員番号および参加口数が記載されたフレンズカードを発行します。(本人のみ使用可)

  3. フレンズカードのご提示で、横浜美術館コレクション展に何度でもご入場いただけます。
    (参加口数と同等の人数で利用可。 例:2口参加→本人含め2名入場可)

  4. 横浜美術館の各企画展招待券を進呈します。
    (各展、参加口数と同等の枚数を進呈。 例:2口参加→各展2枚ずつ進呈)

  5. 横浜美術館コレクション展の会期ごとにコレクション・フレンズ参加者を対象とした特別イベント 「コレクション・フレンズ ギャラリートーク(学芸員の解説付き鑑賞会)」へご招待します。
    (参加口数と同等の人数で参加可。各回定員制。要事前申込。)

  6. ご支援期間中に2回(前期1回、後期1回)「コレクション・フレンズ レクチャー&交流会」へご招待します。
    (同伴2名様まで参加可。各回定員制。要事前申込。)

  7. フレンズカードのご提示で、ミュージアム・カフェ「Café小倉山」のメニューを10%割引でご提供します。

  8. 3口以上ご参加の方には上記と併せて下記の特典もご提供します。

  9. 横浜美術館の各企画展オープニング内覧会へご招待します。(本人のみ)

  10. 横浜美術館の各企画展カタログを1冊進呈します。

参加方法

参加費1口 10,000円(消費税は対象外につき掛かりません。)
※複数口のご参加も承ります。
支援期間2017年4月1日~ 2018年3月31日
受付期間2016年11月15日~ 2017年11月30日
特典利用期間2017年4月1日~2018年3月31日
※2017年4月1日以降にご参加の場合は、受付完了日から2018年3月31日まで

以下のフォームからお申込みのうえ、後日郵送する郵便局の振込用紙にて、参加費をお支払いください。

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参加者芳名一覧

167名(匿名74名) 198口
2017年5月10日現在

参加規約

お申し込みの前に、必ず「横浜美術館コレクション・フレンズ2017 規約」をお読みください。 
横浜美術館コレクション・フレンズ2017規約 [489KB]