鑑賞アーカイブ

    子どものための展覧会2012

    -ドドーン!ニャア~!!安部泰輔展-

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    みなさんは、子どものアトリエの光と音のスタジオにある「子どものアトリエギャラリー」をご存知ですか。
    このギャラリーでは、子どもたちの造形に対する興味や“やってみたくなる気持ち”を育むため、子どもたちが楽しめる小さな展覧会を定期的に開催しています。
    現在開催しているのは、安部泰輔さんというアーティストの展覧会。その名も「安部泰輔展 へんなともだち・ふえるともだち・みんなともだち」!!!
    そもそも安部さんてどんなアーティストなのでしょう? まずは、安部さんの紹介から。
    安部さんは、古着やハギレを材料に制作した“ぬいぐるみ”を使って不思議な空間を創りだすアーティスト。昨年開催された「ヨコハマトリエンナーレ2011」にも参加し、現在最も注目を集めているアーティストの一人なのです。お~。
    そんな安部さんが、今回この展覧会のために100匹以上のネコやウサギをつくってきてくれました。


    まずは、展示スペースづくり

    展示スペースができたらひとつひとつ丁寧に作品を展示していきます。

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    わらわらしてきました。

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    こんなとこにも・・・。わらわら・・・。

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    上にも・・・。

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    ・・・・・・・。

    安部さんは、自分の作品だけでなく、「子どものアトリエ」に置いてあった道具や材料などを自由に取り入れてとても素敵な空間をつくってくれました。
    出会った“場所”や“もの”を大切にして、作りながら考え、考えながらどんどんイメージを広げていく。安部さんは、そんなふうにして作品をつくりあげていきます。

    なんだかとても楽しそうでしょ!!
    まだまだご紹介しきれないくらい個性的なコたちがみんなを待っています。
    ぜひ、会いに来てくださいね。
    (親子のフリーゾーンの時にみていただけます。)開催日はこちらから→「親子のフリーゾーン」

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    待ってるにゃ~!!

    くわしくはこちらから→「子どものための展覧会」
    安部泰輔HP→http://www.taisuke-abe.jp

    どんど焼き

    荒井寛方(あらい かんぽう)「どんど焼き」

    どんど焼き

    絹本着色(262.3×149.6cm)昭和4年制作


    あけましておめでとうございます
    いつもよりちょっぴり長い冬休み、みなさんはどんな風に過ごしていますか?

    さて、この絵は「どんど焼き」という小正月(こしょうがつ)の行事を描いた掛け軸(かけじく)です。
    現在では許可なく外で火を燃やしてはいけないのであまり見かけなくなりましたが、地域のお祭りや子ども会の行事で参加したことがある人もいるんじゃないのかな?

    「どんど焼き」はあらたな年に病気・怪我(けが)なくみんなが平和に暮らせるようにとお正月に使った飾りものを焼いて神様にお祈(いの)りをするというお祭りです。穢れ(けがれ)を火で清(きよ)めるとか、魔(ま)を祓(はら)うというお祓いの意味があり、もともとは左義長(さぎちょう)という平安時代宮中(きゅうちゅう)の行事が一般に広まったものだと言われており、地方にによりいろいろな呼び名があります。
    この「どんど焼き」の火に書き初めをした紙を投げ込むと火の勢いにあおられて高く舞い上がり、高く上がれば上がるほど字が上手に書けるようになるとか、この火にあたったり、この火で焼いた餅(もち)などを食べると病気をしないといった言い伝えがあるそうです。この絵の中で燃え上がる炎(ほのお)が朱色(しゅいろ)一色でとても美しく表してあります。りょうわきにいる子どもたちは炎を見ながらどんなことをお祈りしているのでしょうね。

    さて、今年はひとり一人の心に温かな希望の灯(あか)りがともるよい年になりますよう、「子どものアトリエ」はみなさんの活き活きとした活動をしっかり応援していきたいと思います。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

    この掛け軸は横浜美術館の「第一展示室」でごらんいただけます。
    横浜美術館コレクション展 2011年12月17日(土)〜2012年3月18日(日)木曜休館
    http://www.yaf.or.jp/yma/jiu/2011/collection02/rabin.html

    ※小正月=1月15日前後のころ
    ※掛け軸=絵や書を巻物に仕立てて床の間などに飾って鑑賞するもの
    ※平安時代=平安京遷都(794年)から、鎌倉幕府開幕(1192年)までの約400年間。
    ※宮中=宮殿の中

    夏休み子どもフェスタ2011ートリエンナーレをみようー

    ー美術の先生がガイドしてくれたよ!ー

    フェスタの様子1

    今年で5回目となった「夏休み子どもフェスタ2011」。8月12日から17日までの6日間、美術館が会場となっているヨコハマトリエンナーレを訪れた小・中学生のお友だちを迎えて、鑑賞のためのガイドツアーを行いました。楽しい鑑賞のお手伝いをするために横浜市内の中学校の美術の先生7人がアートティーチャーズサポーターとして引き受けて下さいました。このような取り組みは今年で3回目。先生方のガイドはとても分かりやすいと好評で、いまや美術館の教育事業の大切なパートナーとなっています。
    さて、先生方の中には昔教え子だった生徒さんや、今教えている生徒さんとの思いがけない”再会”もあり、うれしい偶然にひとしきり盛り上がる場面もありました。子どもたちにとっても美術館がぐっと身近に感じられたことでしょう。
    夏休み子どもフェスタに参加してくれたみなさん、来年の夏もまた美術館で会いましょう!
    ※夏休み子どもフェスタ2011 : 8/12(金)〜17(水)の期間中、484人のご参加がありました。

    フェスタの様子2
    フェスタの様子3フェスタの様子4
    フェスタの様子5フェスタの様子6

    後日、アートティーチャーズサポーターのお一人、田川先生からうれしいメールが届きました。

    一昨日から学校がはじまり、夏休みの宿題として出した美術鑑賞のレポートが提出されました。レポート内容は自由だったのですが、トリエンナーレのレポートを書いている生徒が思ったより多く、うれしく思っています。
    まだ全てに目を通していないのですが、トリエンナーレの会場で、自分の好きな作品順にランキングをつけてレポートしたり、妖怪コレクションや映像作品に「これも美術なんだ!」と驚く感想がありました。
    エルンストの作品を写真にとり、顔に見える部分を拡大コピーしてレポートしてる子もいました。トリエンナーレのレポート以外には、ルネ・マグリットの作品を選んで鑑賞する生徒がたいへん多かったです。ぜひ横浜美術館でマグリットの作品を実際にみてほしいです。
    夏休み中にトリエンナーレが開催されることで、中学生がトリエンナーレに行きやすくなり、とてもいいなと思います。クラスメートのレポートを見て、トリエンナーレに興味をもつ子もいるので、レポートを掲示するなどしてもっとトリエンナーレを紹介していきたいと思います!
    桂台中学校 田川 彩

    ご協力いただいた先生方:
    横浜市立六角橋中学校 鳥塚恵美先生
    横浜市立本郷中学校  山田香織先生
    横浜市立日限山中学校 柳田麻利江先生
    横浜市立芹が谷中学校 野口智弘先生
    横浜市立都田中学校  渡邊淳先生
    横浜市立桂台中学校  田川彩先生
    横浜市立並木中学校  本江伊智郎先生
    本当にありがとうございました。

    ※ヨコハマトリエンナーレ2011は11月6日まで開催中です。詳しい情報はこちらまで。

    あけましておめでとうございます

    うさぎみたいな作品

    ⓒ江田正盛

    いよいよ2011年がスタートしました。
    ことしは「うさぎどし」。ということで、さっそくアトリエのまわりで”うさぎ”をさがしてみました。すると、いました。いました。玄関(げんかん)の「手で見るギャラリー」の彫刻(ちょうこく)のなかに、”うさぎ”を発見(はっけん)!

    でも…、これほんとうにうさぎかなぁ?あやしいですね。人間(にんげん)みたいだし。耳(みみ)にくっついているボールはなんでしょう?さわってみたくなりますね。でもふつうはさわっちゃいけないってきまりだし…。

    子どものアトリエの玄関にある「手で見るギャラリー」の作品は全部(ぜんぶ)さわっていい作品なので大丈夫(だいじょうぶ)です。じっさいにさわってみると、いろんなことがかんじられますよ。そして、たくさんさわる練習(れんしゅう)をすると、さわらなくても、いろんなことがそうぞうできるようになるんだって。忍者(にんじゃ)のしゅぎょうみたいですね。

    うさぎ(?)のなかまが、ほかにもいました。

    うさぎのなかま?

    ⓒ江田正盛

    あたまが、おもしろいね。
    まだほかにも「手で見るギャラリー」にはいろんな”おともだち”がいるから、見にきてさわってみてね。

    さて、ことしがみなさんにとっていろんな発見(はっけん)と笑顔(えがお)の年となりますように!子どものアトリエはしっかり応援(おうえん)したいと思います。どうぞよろしくおねがいします。

    「手で見るギャラリー」でちょうこくをさわるときのおやくそく
    1.さわるときは両方(りょうほう)の手(て)でやさしくさわってください。
    2.あわてないで、ゆっくりとさわってください。

    手で見るギャラリー(Please Touch Gallery)
    http://www.yaf.or.jp/yma/children/110/
    ※手で見るギャラリーは、彫刻家の江田正盛(こうだまさもり)氏のご協力により、2002年から子どものアトリエ、エントランスに触って鑑賞する彫刻群として設置しました。

    どんな絵の具で描かれたの?

    小倉山 ーそのにー

    下村観山(しもむらかんざん)の描いた〈小倉山〉は、「日本画(にほんが)」という種類の絵です。
    日本画は、油彩や水彩絵の具とはちがう材料や道具を使って、昔からの方法で描かれます。どんな絵の具で描かれているのか、ごく一部ですがご紹介しましょう。たとえば淡い緑色の部分に注目して下さい。

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    この淡い緑色は、「孔雀石」(くじゃくいし)という石をくだいた絵の具で描かれていると推測(すいそく)されます。
    下が孔雀石の原石(げんせき)です。

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    孔雀石は「マラカイト」ともいいます。

    下の写真はくだいて粉状にしたもの。こまかくくだくとより白っぽくなります。

    くだいただけの石 あらい粒 20101208ogurayama6.jpg

     くだいただけの石

     あらい粒(つぶ)

     こまかい粒(つぶ)

    このように、石をくだいてつくられた絵の具を「岩絵の具(いわえのぐ)」といいます。ちなみに孔雀石からは、緑青(ろくしょう)という名前の絵の具ができます。

    ※岩絵の具は、石をくだいたあとにふるいにかけたり、水に沈殿(ちんでん)させたりして粒(つぶ)の大きさを整えてつくります。

    岩絵の具の特徴(とくちょう)は、同じ石でも、粒子(りゅうし)があらいと色が濃く、こまかいと白っぽくなります。いちばん粒子のこまかいものを「白(びゃく)」と呼びますが、おそらく白っぽい緑の部分は、白(びゃく)に近い白緑(びゃくろく)を使って描かれたと考えられます

    さて次は白(しろ)そのものを見てみましょう。右側の屏風(びょうぶ)の人物が身にまとっている着物にご注目!

    屏風の人物 着物の白い部分

    この人は、平安時代の貴族(きぞく)の男性のふだん着、直衣(のうし)と指貫(さしぬき)を着て、立烏帽子(たてえぼし)を着けています。直衣は上、指貫は“はかま”です。はかまの部分にはこまかい模様が白で描かれているのがわかりますね。 
    この白には、胡粉(ごふん)が使われています。胡粉は、牡蠣(かき)の殻(から)からつくります。とても細かくのびの良い絵の具なので、いろいろな絵の具にまぜてやわらかい感じを出すのにも用いられます。

    乳鉢にはいった胡粉 乳鉢(にゅうばち=すりつぶすための鉢)にはいった胡粉。

    日本画で使う絵の具は、粉のままなので、“にかわ”という接着剤(せっちゃくざい)をまぜて自分でつくります。昔は油絵の具や水彩絵の具でも手作りしていましたが、現代ではチューブにはいったものをお店で買って来ることができますね。でも日本画の絵の具は、今でも絵の具と“にかわ”を自分でお皿の中でまぜてつくります。 手間がかかるので、気の長い時間が必要です。

    秋まっさかり!

    小倉山 ーそのいちー

    <小倉山>右隻

    小倉山(おぐらやま) 1909年(明治42年)制作
    下村 観山(しもむら かんざん/1873-1930)  
    絹本着色 6曲1双 各157.0×333.5cm    

    この絵は、いま横浜美術館の「展示室1」に展示してある<小倉山(おぐらやま)>という2枚組の屏風(びょうぶ)の右部分です。作者は明治から昭和初期に活躍した下村観山(しもむらかんざん)という人。いろいろな植物がていねいに描かれていますね。あなたの知っている木や草はありますか?

    ひのき科の若木 つた かえで

    正確にはわかりませんが、おそらく、左から檜(ひのき)科の若木、蔦(つた)、楓(かえで)でしょうか。金色をバックに、赤い色があざやかですね。
    屏風の左部分もごらんください。

    <小倉山>左隻

    金地の空間のほぼ真ん中に、細く枝をのばした松(まつ)が描かれています。
    松ぼっくりもついています。
    楓の木の幹(みき)のうしろから栗鼠(りす)がこちらをのぞいていますよ。

    りす
    筆箱

    さて右の屏風には、紅葉した木立の中にもの思いにふける男の人が描かれています。足もとをよく見ると、細長い箱。
    中には筆が入っており、紙もおいてありますね。この人は一体、何をしているのでしょう?おじゃる丸の烏帽子(えぼし)や着物に似ていますね。すると平安時代の人なのでしょうか?
    謎がどんどん深まります。

    ※平安時代 今からおよそ1200年から800年くらい前。

    題名となっている<小倉山>は京都にある山の名前です。ここは”歌がるた”で有名な「小倉百人一首(おぐらひゃくにんいっしゅ)」という和歌集にゆかりのあるところ。和歌というのは31文字のことばで思いをあらわす日本古来の歌の形式ですが、描かれた人物はおそらく深まりゆく秋の景色を味わいながら、和歌を考えているところなのでしょう。
    和歌をつくることを”歌を詠む(よむ)”といいますが、あなたがこの場所にいたら、どんな歌を詠みたいですか?
    (小倉山の展示は「横浜美術館コレクション展」で2011年1月10日までご覧いただけます。休館日にご注意下さい。)

    「展示室1」には自然をテーマにした日本画がたくさん展示してあります。
    お散歩するみたいにゆっくりながめてまわるのも、季節感があってたのしいですよ。

    保護者の方へ:横浜美術館は小学生未満のお子さんは、企画展、コレクション展とも無料でご覧いただけます。中学生、高校生のみなさんは、土曜日のみ生徒手帳、学生証の提示により無料とさせていただいております。つきそいの保護者の方の観覧料はこちらをご覧ください。

    イサム・ノグチ《三位一体(さんみいったい)》のひみつ

    夏休み子どもフェスタは今年で4回目となりました。会場では子どものアトリエのスタッフの他に大学生や社会人からなる鑑賞サポーター、中学校の美術の先生が結成したアートティーチャーズサポーターが一緒になって子どもの鑑賞のお手伝いをしています。
    今回は鑑賞サポーターの皆さんのやり取りの一部をご紹介しましょう。

    三位一体に挑戦

    これはイサム・ノグチの《三位一体》という作品。
    作品のまわりをぐるぐる回りながら観察すると、3つの形が組み合わさって立っているのが分かります。

    サポーター

    「模型でバラバラにすると3人家族にみえるね。」

    子ども

    「ほんとだ!真ん中がお母さんだね」

    サポーター

    「どうして?」

    子ども

    「おっぱいがあるもんね。」

    三位一体の模型

    サポーター

    「ほんとだ!じゃ、こっちがお父さんで、これが・・」

    子ども

    「子どもだよ。」

    サポーター

    「なるほど。じゃ、どうやって組み立てる?」

    子ども

    「うーん。あっ!三つを一気に組みあわせないと立たないよ。」

    サポーター

    「面白いね!すごい秘密に気がついたね。」

    三位一体に挑戦2

    サポーターは難しい作品解説をするのではなく、こんな楽しい会話の中で子どもの「もっと見たい」「もっと知りたい」という興味を引き出していきます。
    いよいよ夏休み子どもフェスタも残り1日となりました。
    興味のあるお友だちはぜひ遊びにきてね!
    ※三位一体=三つの要素が互いに結びついていて、本質的には一つであること。また三者が協力して一体になることを意味します。

    「夏休み子どもフェスタ2010」がはじまったよ!

    夏の「子どものアトリエ」はアトリエを飛び出してコレクション展の展示室で鑑賞のお手伝いをします。 美術館に興味はあるけれど、一体どんなところ?どんな風にみればいいの? そう感じているお友だちもたくさんいるんじゃないかな? 「子どもフェスタ」ではそんなビギナーの子どもたちのために作品を楽しくみるお手伝いをします。 サポート役のボランティアさんたちと一緒に待っています。 気軽に立ち寄ってくださいね。 なお、「夏休み子どもフェスタ」は期間限定なのでご注意ください。 フェスタの詳しい情報はこちらです。

    受付の様子 彫刻の会場の様子 組み立てに挑戦

    フェスタの会場

    今年は2カ所でフェスタの受付をしています。
    これはグランドギャラリー側。

    まねして組み立てられるかな?