中高生プログラムレポート(1) ヨコトリを体験!編

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横浜美術館では毎年、中高生を対象とする長期プログラム「中高生プログラム」を行っているのをご存じでしょうか?2014年に始まり、今年度で4回目の開催となります。今回はヨコハマトリエンナーレ2017の関連事業として、「ヨコトリ2017を体験しよう!伝えよう!」と題し、6月から9月まで約3か月、全8回のプログラムを実施しました。

中高生プログラムの活動には、大きくわけると二つのステップがあります。一つ目は、中高生自身が様々な体験を通じて美術と出会い向き合うこと。二つ目は、それらの体験をもとに、中高生が展示室ツアーとワークショップを企画して、小学生に美術のおもしろさを伝え、ともに楽しむことです。

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プログラムがスタートしたのは、ヨコトリ開幕の約2か月前の6月中旬。

まずは展覧会のつくり方について、逢坂コ・ディレクターのお話を聞いたり、柏木コ・ディレクターの案内で展示設営中の会場の様子を見学したりしました。

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 エントランスで観客を出迎える竹の巨大な作品を制作中のジョコ・アヴィアントさんにもタイミングよく遭遇!どんなふうに竹を使うのか、自らデモンストレーションで見せてくださいました。

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ヨコトリは国内外から多くのアーティストがあつまる現代美術の展覧会です。作品をつくったアーティストに実際に会うことができるのが現代美術ならでは!ということで、今回のプログラムではヨコトリに出品している3人のアーティストに講師としてお越しいただきました。

木下 晋さん 

まずは、鉛筆で大画面の繊細なタッチの人物画を描く木下晋さん。10Bから10Hまで22段階の鉛筆を使い分けて描いたグラデーションの自作サンプルを見せてくださいました。鉛筆のつくりだす表情の豊かさに中高生も興味津々。「描くことより知ることが大切」「自分が美しいと思うものしか描かない」など、木下さんの制作姿勢が伝わる言葉が印象に残ったようです。

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柳 幸典さん

横浜市開港記念会館会場で展示している柳幸典さんには、現地でお話をうかがいました。地下の真っ暗な空間に展示された原子爆弾や水爆実験などをテーマとする作品は重い雰囲気。作品の制作過程や意図など、次々とでてくる中高生の質問に柳さんが一つひとつ丁寧に答えてくださいました。そのお話に「人生をかけて作品をつくっていると思った」という中高生の感想も。

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風間サチコさん

そして、風刺的でユーモアある木版画の作品を制作している風間サチコさん。ご自身の体験をもとにつくった作品のことなど、展示室でたっぷり熱く語ってくださいました。中高生は、「重いことを明るく普通に何でもないように話していた」「自分の好きなことを突っ走ってやっていて、いい生き方だと思った」と、遠い存在だった「アーティスト」を身近に感じたようです。

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「アーティスト」と呼ばれる人と実際に出会うこと自体が初めてだった中高生たち。さまざまな考えで作品を制作しているアーティストのみなさんに会ってお話を聞き、その人柄に触れることで、現代美術との距離が一気にグッと縮まったようです。作品を見るのがだんだん楽しくなってきたところで、今度はそれを小学生に伝えるためのプログラムをいよいよ考えていきます!

【レポート(2)につづく】