蔡國強展スタッフコラム 第8回 《朝顔》制作プロジェクト第2回

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

第8回

≪朝顔≫制作プロジェクト第2回 梱包と美術館搬入

横浜美術大学の学生さんたちに「てびねり」で作っていただいた≪朝顔≫の花、蕾、葉っぱ合わせて約660個。大学の窯できれいに焼き上がったテラコッタを美術館に運ぶ段取りは少し工夫が必要でした。花や葉には70cmの針金で茎をつけ、それを幹になる蔓に巻き付ける必要があります。茎を先に付けてしまうと長さ80cm前後になって、重心も偏るので梱包が難しくなります。せっかく焼き上がったテラコッタが輸送中に割れては大変です。そこで針金をつける作業は美術館で行うことにしました。テラコッタの花や葉はひとつひとつ新聞紙でくるんでもらい、大学にあった古い段ボール箱にエアキャップを敷いて2層くらいずつ詰めてもらいました。全部で30箱ほどでしょうか。これらをチャーターした軽トラックの床一杯に丁寧に積み込み、横浜美術館に運びました。

openandcutting.jpg
(開梱と番線切の図)

組み立て
≪朝顔≫の茎の針金は木材などを縛るときに用いる「番線」です。花や葉にはあらかじめ差し込み用の穴をあけてあります。この穴と番線のはまり具合が大切で、穴径にはどうしてもばらつきがあります。穴が狭いと入らないし、ゆるすぎても抜けてしまう危険があります。事前に実験することにして、70cmに切った番線の先端に、横浜美術大学助手のYさんご推薦の特殊な接着剤を塗布し、テラコッタに差し込んで一晩乾かして様子を見ました。結果は良好だったので、穴の大きさに応じて太さの異なる12番と14番の番線を近所の金物屋さんに頼んで用意しました。実は番線は一巻25mと50mの単位で売られています。重たいのでいつもの自転車ではなくトラックで納品に来てくれました。これを学生さんに正確に70cmに切ってもらう必要があります。

flower01.jpg
(花に茎をつけるの図)

6月20日、横浜美術大学のボランティアの方々24名が横浜美術館に集まり、作業開始です。まずはアートギャラリー1という、ポルティコに沿ったうなぎの寝床のような部屋の半分いっぱいにプラベニヤ板を敷きつめました。頼もしそうな数人に番線切班になってもらい、ひたすら70cmの線を合計660本、工具で切ってもらいます。その横では満開の花、半開の花、つぼみ、葉のグループごとにテラコッタを箱から出してもらいます。次に二人一組で接着剤を竹串の先につけてテラコッタの取付け穴の中と番線の先端に塗って、花や葉に茎を取り付ける組み立て作業をします。出来上がったものをそっとプラベニヤの上に並べて乾燥させました。この作業がきちんとできないと、展示した時に床上数メートルの高さからテラコッタの塊が降ってくることになります。みなさん熱心に作業してくれたおかげで、朝10時から始めた作業は午後2時過ぎに完了しました。あとは一晩おいて、乾燥を待つばかりです。
(中村尚明)

dry02.jpg
(接着乾燥中の図)