蔡國強展スタッフコラム 第7回 《朝顔》制作プロジェクト第1回

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第7回

《朝顔》制作プロジェクト第1回 横浜美術大学での制作

蔡國強展のエスカレーターを上がって2つ目の展示室には、《春夏秋冬》という白磁レリーフの作品で囲まれた中に《朝顔》という作品が展示されています。9mの天井から吊り下がった自然の藤蔓に赤い素焼きのテラコッタでできた数百の朝顔の花と葉とつぼみが絡まっています。
蔡さんは地域の人々と協働で作品を作ることが多いのですが、この作品でも日本の人たちと共に作ることになり、実はテラコッタ部分は蔡さんではなく、横浜美術大学の学生さんたちに作ってもらいました。蔡さんは昨年アルゼンチンでも同じコンセプトの《藤蔓》という作品を発表していますが、その時も現地の学生に手伝ってもらっています。しかし、アルゼンチンの時と同じ作品というわけではなく、日本の粘土で、日本の針金で、日本の朝顔をモデルにして作っています。また蔓の部分もアルゼンチンでは鉄だったものが本物を使うことになりました。

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(サンプルとその日の目標個数を見ながら作ります)

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(手で朝顔に表情を付けていきます)

横浜美術大学とは、まず陶芸の研究室の教授や助手の方々と、蔡さんからもらったアルゼンチンの時のサンプルなどを元に材料を選定するところからはじまりま した。蔡さんに国際郵便で材料を確認してもらいつつ、朝顔の制作に参加してくれる学生を学内で募ってもらいました。元々は授業の一環だったのですが、授業 を履修していない学生や、蔡さんのファンだという他の学科の先生方もボランティアで参加してくださいました。そうして週1回、全5回にわたって数660個 の朝顔のパーツを制作するワークショップがはじまりました。

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(完成した朝顔の花やつぼみ、葉)

制作にあたっては事前に先生方が葉や花の型紙を用意してくれたので、まずは平らに伸ばした粘土を型紙で大まかな形に切り取ります。その後、画一的にならな いようにという蔡さんからの指示もあり、細かい花びらの表現などを手で伸ばしながらつけていきます。風になびいているような花もあれば、ややいびつな葉も あり、同じ型紙を使っていてもひとつとして同じものはありません。成形後にあとで針金を取り付けるための穴を開けてから板に乗せて乾燥させます。翌週、乾 燥したものを順に窯に運び入れつつ、また新たな朝顔を作りました。朝顔の葉の部分などは薄く、途中で割れてしまうこともあったため、予備も含めかなり多め に作りましたが、毎回30名以上が参加してくださったおかげで、1回の制作で200個近くを作り終えてしまうこともありました。

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(窯入れ)                     (焼き上がると色がこのように)

焼き上がったものを窯から出すと赤くなったテラコッタの朝顔が出来上がりです。あとは針金を入れる穴が塞がっていないかチェックし、塞がってしまったものはドリルで穴を開けたり、泣く泣く破棄したり・・・。大勢の人が参加してくれたおかげで果てしないようでいて順調に作業が進み、無事に660を超える朝顔のパーツが完成したのです。
(田中彩)

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(自分がその日作った数をなんと手作りの蔡さんシールでカウント!出来上がった蔡さんポスターは爆破制作の最終日に蔡さんにプレゼントされました。)

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(おまけ:本展企画者のこの方も実は制作に参加していました)