子アト通信:講座レポート「蔡さんと子どもたち カラーテープで昼間の花火を描(えが)こう」

7月11日、「蔡國強展:帰去来」の初日。

子どものアトリエに出品アーティストの蔡國強さんをお迎えし、小学校1年生から6年生の子どもとその保護者の方、38組のみなさんとワークショップを開催しました。

テーマは、蔡さんのこれまでに制作した花火の作品にちなんで、カラーテープで昼間の花火を描くというもの。

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「昼間に花火を打ち上げるなんて、一体どういうこと?!」

と、普通は思いますよね。普通、花火は夜に打ち上げるので光で色を見せるものですが、蔡さんの昼間の花火は、火薬に顔料を混ぜて煙に色をつけて、昼間でも花火が見えるように工夫しているのです。

▼蔡さんの過去の花火の作品はこちらのサイトからご覧いただけます(英語)。

http://www.caiguoqiang.com/videos

 

さて、ワークショップの話に戻りましょう。

ワークショップの最初に、蔡さんが自己紹介を兼ねて、ご自分がアートに関わるようになったきっかけや、アートがもたらしてくれる可能性について、子どもたちにお話してくださいました。蔡さんのお父さんも趣味で絵を描く方で、蔡さんが子どもの頃は、お父さんの膝に座って絵を描いている様子を眺めていたのだとか。

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「アートができることは、二つあります。一つは、自分の目で世の中から美しいものを見出す力を養ってくれます。二つ目はアートを通じて友だちが増えます。私は世界各地に行ったけれど、アートを通じてさまざまな人たちの協力を得て作品をつくり、そして友だちになれました。自分ひとりでは何もできなかったのです」

 そして、昼間の花火を描くにあたってのヒントも蔡さんから出されました。

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「花火というと、空に大きく打ち上がっている状態をイメージすると思うけど、地上に発射台があってそこで一度爆発が起きます。打ち上がってもう一度爆発して、火薬が地上に落ちてくるのです。花火を見た時の記憶や、いろいろな花火の様子を想像して描いてみましょう」

 さて蔡さんのお話が終わると、それぞれの家族に分かれてどんな花火を描こうか、作戦タイム。一組に画面として割り当てられたのはターポリンという、150×110cmの大きな白い布。そしてそこに描くために使う素材は荷物の梱包等に使う、養生用のカラーテープです。色数もありますし、線であらわしたり、テープをつなげて面であらわすこともできるので、大きな画面にどんどん描くのに便利な素材です。

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いざ制作が始まると、子どもたちのカラーテープをちぎる手が止まりません。制作の進め方はご家族それぞれ。お母さんとお子さんのそれぞれが花火を描いているご家族や、お子さんが描き、お母さんはテープをちぎるアシスタントに徹しているご家族もありました。

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大きな花火、小さな花火、色とりどりの花火が描かれ、あっという間にアトリエは花火の作品で埋め尽くされてしまいました。並べてみると、それぞれに工夫があってとても素敵です。

最後に蔡さんも皆さんが描いた花火を大絶賛。

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いくつかの作品は、蔡さんが「この花火のアイデア、いつか作品に使わせてもらいたいな」と言うものもあったほどでした。

いつか、世界のどこかで、このワークショップで描かれた花火が蔡さんの手によって現実のものになったら・・・と思うとワクワクしてしまいます。

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※この作品は、横浜美術館前の工事壁に8月12日まで展示されました(天候や工事の状況によって撤収が前後する場合があります)。

※「蔡國強展:帰去来」 の情報はこちら