子アト通信:講座レポート「親子でホイッスラー展を見よう」-その1-

「ホイッスラーさんに変身したよ」

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▲ホイッスラーさんのトレードマークのおひげをつけて展示室をめぐりました。

さる1月12日の成人の日、子どものアトリエでは横浜美術館で現在開催中の「ホイッスラー展」に関連した親子鑑賞講座を行いまた。絵をみるだけではなく実際に画材を見たり触ったり体験をしてから作品に向かい合うというのが子どものアトリエの鑑賞講座です。今回はさらにホイッスラーの絵の特色がよくわかるようにアトリエでのレクチャーも企画しました。最初に一度絵を見に行ってホイッスラーの絵の雰囲気を感じたあと、アトリエに戻ってミニレクチャーを行いました。

ホイッスラーの色の秘密を探ろう!

ホイッスラーの絵の特徴はよく「色の調和(ハーモニー)」にあるといわれます。でも言葉だけでは説明しづらいので、「調和」というものを音の和音や旋律に置き換えて感じてもらうところから始めました。澄んだピアノの音の重なりに子どもたちの顔はみるみるうっとりした表情にかわりました。また一転してぶつかり合う不協和音には、びっくりして目をまんまるに見ひらき、笑いだしてしまう子もいました。この音の組み合わせをホイッスラーの絵の中に置き換えてみると、彼の絵には反発し合うような色の組み合わせは見当たりません。むしろ仲間同士の色を使って全体の調和を図り、その中にほんのちょっぴり性格の違う色を入れることによって、ピリッと緊張感のある画面構成を試みていたことがわかります。

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《ノクターン:青と金色-オールド・バターシー・ブリッジ》 1872-75年 テート美術館 (c)Tate,London 2014


例えば「ノクターン」という絵を見てみましょう。ここに使われている色には濃い紺色からだんだん水色に近くなる色の変化があります。その中にかすかな黄色の点として花火の輝きがあらわされています。深い夜の闇の中、大きな橋のシルエット越しに遠くに「パーン」と聞こえてきそうな空間が心に広がります。橋の上の人たちの囁く声も聞こえてきそう。色の調和で音や空間まで感じさせるとは、ホイッスラーって色の魔術師みたいですね。

どんな風に描いていたの?
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▲一年生のおひげ君、キャンバス(画布)に向かってポーズ。 ▲気分はホイッスラー!

さて、展示室にはホイッスラーの使った長い筆が展示してあります。大きな絵を描く時は少しはなれて描かないと全体が見えないのでそんな筆が必要だったのですね。そこで、みんなでホイッスラーに扮して長い筆をもって描くまねをしてみました。トレードマークのおひげをつけて、気分はすっかりダンディ(※)な絵描きさん。みんなすっかりなりきって様になっていました。
さて、アトリエの中には油絵の具に触れられるコーナーやホイッスラーがたくさん残した版画(エッチング)に関する画材、刷るためのプレス機なども用意し自由に見てもらいました。めずらしいものが多く、参加者の皆さんはそれぞれ手に触れながら、いろんなことを親子で話し合っていました。 (※①おしゃれな男性 ②洗練された)

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▲油絵が得意なスタッフが実演します。     ▲興味津々な顔!
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▲「エッチング」に使う銅板と描くためのニードル。▲銅板を刷る機械。小型のプレス機を回してみよう。
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▲油絵の具に混ぜる油。独特のにおいがします。 ▲「へぇ~油絵ってこんな画材で描くんだ。」

もう一度、ホイッスラーの絵を見に行こう!
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▲展示室の入口で、絵を見るときのマナーやお約束を再確認。そのあと家族やスタッフと一緒に見ました。

子どものアトリエで色についてのレクチャーのあと、ふたたび展示会場へ足を運びました。今度はアトリエで体験したことをヒントに、いろいろな発見を親子で話し合っていました。休日の午後、展示室はそれぞれの親子の時間が流れていました。

さてこの講座にはもう一つ、皆さんにお知らせしたいトピックがあります。
そのお話はまた次回の子アト通信で。お楽しみに!

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