講座レポート「美術ってなんじゃもんじゃ?」

―美術とはなんぞや??コレクション展の作品となかよくなろう!―

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この作品はいったい…?みんなは何の絵に見えるかな。

子どものアトリエでは、今年度から造形プログラムに加えて新しく鑑賞プログラムがスタートしました。
その記念すべき第1弾は「美術ってなんじゃもんじゃ?」と題し、横浜美術館コレクション展にある作品を教材に鑑賞の練習をしました。さっそく、その様子をご紹介します。

1日目~“美術”はかつて“技術”だった!?~

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小学校4・5・6年生を対象としたこの講座。絵を見たり、作品を作るのが大好きな子どもたちが集まりました。

みんなは「写実(しゃじつ)」という言葉を知っていますか?対象をよーく観察して、本物に忠実に描くことを「写実」と言います。
むかしむかし、まだカメラや写真がなかった時代、物や人物、風景をそっくり写実的に描くことによって記録したり伝達する絵画はとても重要な役割を果たしていました。つまり、“美術”とはかつて“技術”だったとも言えるのです!講座に来てくれたお友だちも鑑賞した作品をもとに「写実」に挑戦してみました。「むずかしい~!」という声や、中には「上手く描けたかも!」という声も聞かれました。


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さて次にみんなが見ているのは、マックス・エルンストの《少女が見た湖の夢》という油彩画です。怪物みたいな生き物がたくさん見つかる不思議な作品です。実はこの絵、キャンバスの上に絵の具を乗せ、ガラス板や紙などでつぶすことによって偶然生まれるかたちを利用した「デカルコマニー」という技法を用いて描かれているのです。

みんなもやってみました!デカルコマニー!
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エルンストさんはこのデカルコマニーという技法から想像をふくらませ、作品にしていきした。
みんなの作品も、じーっと見ていると何かの形や風景に見えてきて…?

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「おおー、地球に見えてきた!」

2日目~自分だけの表現をもとめて~

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こちらは白髪一雄の《梁山泊》。この絵はなんと足を使って描かれているのです!
1日目に学んだ「写実」とはだいぶ違いますね。
白髪さんは、ときには板切れで、ときには素手で…といろんな描き方を実験していった画家です。
人が今までやったことのない、自分だけの描き方を探求していたんだね。とても勇気のいることだと思います。

さて、ただ鑑賞するだけではなく実際にやってみるのが子どものアトリエです!さっそく裸足になろう!

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絵って体全体を使って描くことも出来るんだね。おもしろくてやめられな~い!
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こんな大作が完成しました!

3日目~心を自由にして作品を見よう~

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美術館に入ってすぐ目に入るこの彫刻、ヴェナンツォ・クロチェッティの《平和の若い騎手》です。ふつう騎馬像(人が馬にまたがっている像)というのは馬に鞍や手綱をつけたり、人によろいを着せたりしてその強さを表現する“型”があるのですが、この像にはそれらが見当たりません。クロチェッティさんはそういった“型”の表現ではなく、人と馬が共に生きる平和な世界、という自分なりのメッセージをこめて作品を作ったんだね。

さて、最終日はみんなでこの像の立つ風景を自由に想像し描いてみました。自分の想像力だけを信じて描いたら、ほら!ひとりひとり、こんなにも個性的な風景が見えてきましたよ。

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今回の鑑賞講座ではコレクション展の作品を通して様々な描き方、作者の想いなどを学びました。美術って無限大!何かにとらわれることなく作品を作ったり鑑賞することが大切なんだね。みんなも心を自由にして自分の表現を探してみてください。
これからも横浜美術館はみんなが作品を見に来てくれるのを楽しみにしています!

小学生以下のおともだちは展覧会を無料で見ることができます。
詳しくは横浜美術館のHPをご覧ください。