講座レポート 夏の研修会

― あれ、「大人のアトリエ」?―
kyoushi_1.jpg

7月後半は先生たちの研修会のシーズン。「子どものアトリエ」はしばし「大人のアトリエ」に変身します。今年も暑い中、たくさんの先生が子どもと同じ素材と関わる造形活動をしました。まずは、動きやすく汚れてもよい格好になったら、はだしでアトリエに全員集合。すでに先生たちはウキウキ、ワクワクの顔。「開放的な気持ちは新しい体験を受け入れるために大切な心のコンディション。」など、アトリエの指導員の解説を聞きながら2013年度の研修がスタートしました。研修の中では造形素材の“おさらい”ということで、いろいろな実験もしました。例えば、描きやすい「えのぐ」ってどのくらいの濃さなんだろう?とか、カラカラに乾いた土粘土はもとに戻せるのだろうか?など、日頃の疑問点を解決すべく、金づちで砕いて粉にしたり、水を加えて練りこんでみたり…。普段からよくなじんでいる素材でも、当たり前すぎて意識もしなかった面白さや不思議さがあることに、先生がたも改めて驚いた様子。


kyoushi_2_2.jpg
ついつい触りたくなる柔らかさってあるんですね!(土粘土をこねる小学校の先生)


kyoushi_3.jpg
絵の具がなめらかだと筆もスイスイ走ります。(幼児用ポスターカラーで試し描き。幼稚園の先生)



また一方、美術には「造形」とか「工作」など、制作するときに使うキーワードがいくつかありますが、そのちがいはいったい何だろうか?と言葉の意味を考えるワークショップも行いました。例えば「造形」について考える事例として模様を描いたダンボールの板を用意して、いろいろな働きかけをしました。


kyoushi_4.JPG⇒⇒kyoushi_5.JPG
はじめに丸い形になるように「集める」と、こんな感じになりました。

kyoushi_6.JPG⇒⇒kyoushi_7.JPG
次に「並べる」と、こんな感じに変化しました。

kyoushi_8.JPG⇒⇒kyoushi_9.JPG
さらに切れ目を入れて「組む」とこんな立体にもなります。

素材に働きかける「行為」によってその見え方はガラリと変わります。そこには発見があり、それが面白ければ今度は「わざとそのようにする」という意志も生まれます。意志をもってやることは表現となります。つまり造形表現にはめんどうくさがらないで新たな発見を求めるチャレンジ精神が必要だといえるでしょう。ですから子どもたちには、“試行錯誤が苦にならない”「気持ちの体力」を小さい時から育てていって欲しいと思います。それは生きる上で必要な力に他なりません。
さて、子どものアトリエは、これからも先生方が楽しみながら造形の仕組みを理解し、自ら子どもにあわせた指導にアレンジできるよう、いろいろなを提案していきたいと考えています。今回の研修が新学期、教室での子どもたちの自信がつく楽しい活動へとつながっていきますように!


※小学校の先生の研修会は横浜市小学校図画工作教育研究会の依頼により「夏季実技研」の≪美術館コース≫として実施。
7/24(水)16(金)の両日で約80名のご参加がありました。
※子どものアトリエ主催の「教師のためのワークショップ2013夏期講座」は幼稚園、保育園の先生方を対象として、
7/27(土)28(日)の両日で116名のご参加がありました。
次回「教師のためのワークショップ春期講座」は、2014年3月22日(土)23日(日)に開催予定です。