学校のためのプログラム

 
ー先生にだっこされて。色水袋ー

今回の「子アト通信」は子どものアトリエのインターン生によるレポートです。

はじめまして。子どものアトリエのインターンの新井です。大学院で芸術支援学を専攻している学生です。現在子どものアトリエで、いろいろなプログラムのお手伝いをしながら現場のことを研修中です。

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さて、この床に寝かされている色の袋は何だと思いますか?実はこれ、お湯を入れたビニール袋なんですよ。一体どんな風に使うのかなって思うでしょう。
私も最初は???でした。でもすぐに謎は解けました。この袋はごろりと寝転んで、ゆらゆらな感じを味わうことが出来るお湯のベッドなのです。「学校のためのプログラム」で重い障がいのある子どもたちがアトリエを訪れた時、担任の先生がこのお湯の袋に子どもたちをそっとのせて、揺らしたり名前を呼びかけたりして子どもたちに語りかけるのです。
(その様子はhttp://www.yaf.or.jp/yma/children/080/の「養護学校プログラム」をご覧ください。)

「上に乗っても大丈夫なの?」と思う人もいるかもしれませんが、実はこのビニール袋はとても厚手でさらに2重にしてあるのです。大人の私(やや大柄)が乗っても破ける事はありませんでした。丈夫なんですね。冬は暖かいお湯を、夏は水の袋を用意するそうです。
子どもたちをこのお湯のベッドに寝かせてあげると表情が和らぐのがわかります。確かに体が温まり緊張していた関節がほぐれるのですね。私もこっそり寝てみましたが大変気持ちが良く、思わず眠ってしまいそうになりました。

お湯のベッドで心身をほぐしたあと、子どもたちは先生方にだっこされて、紙やえのぐ、粘土などの素材に触れたり、音や光を感じたりと、いつもと違う場所で、日常と違う体験をするのです。この日私は子どもたちの様々な表情に出会うことができました。また、子どもたちに寄り添って、表情から感じ取れる「楽しい」「気持ち良い」「不快」「不思議だ」「初めて出会った」という感情を優しく受け止めている先生方の姿がとても印象的でした。先生が、「○○ちゃん、これはどう?」と、元気よく働きかけると、子どもたちはとても元気になるんです。きっと心のやりとりをしているんでしょうね。

そういった体験を子どもたちと先生ができるような「場」を美術館が提供していることは、私が今学んでいる"芸術による支援"のひとつのあり方であり、私も将来いろいろな場所で、「場」をつくる一人として頑張っていけたらなと思っています。