『桃太郎ガールの冒険』インターンスタッフによるレポート2

ユリーさんの来日から10日あまり。初めてのオープンスタジオ、そしてアーティストトークの様子をインターンスタッフの諸岡智子さん(多摩美術大学)がご紹介します。

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横浜もやっと梅雨が明けました、が途端にこの蒸し暑さ。アートギャラリー2から見える噴水の水景色がとても涼しげで水浴びがしたくなるような猛暑の中、第一回オープンスタジオ、そしてアーティストトークが行われました。

アートギャラリー2にはオープンスタジオのために大きなテーブルがひとつと椅子がいくつか用意されました。小さなこどもたちもクレヨンや色鉛筆を使って思いきりぬり絵が出来るようにと机上は紙で覆われ、テーブルにはユリ-さんが描いた「桃太郎ガール」の原画たちを縮小コピーしたぬり絵用紙と、色とりどりのクレヨンや色鉛筆が置かれています。
「よかったら、ぬり絵していきませんか」という呼びかけに、訪れた人たちはちょっとびっくりしながらも自然と椅子に腰をおろし、用紙を選び、色を選んでいきます。いざ色ぬりが始まるとみなさんとても真剣な表情で手を動かし、モノクロの絵はその手のリズムに合わせてみるみるうちに色鮮やかな世界に変わっていき、そうして出来たぬり絵はどれも似たものがありませんでした。どんな色を選ぶのか、薄くぬるのか、濃くぬるのか、重ねてぬるのか、あえて色をおかないのか。もとは同じ絵でも、ひとりひとりのぬり方によってひとつひとつの絵になっていきました。

「ぬり絵が私の原点です」
そんなユリーさんの言葉がふと思い出されました。

訪れた人たちがぬり絵をしている隣のテーブルで、ユリ-さんも作業を行います。彼女専用の作業テーブルの上には彼女が日本に来てから購入した「不思議な制作グッズ」があちらこちらに。一センチ程の小さなお寿司のマグネット。まぐろ、いか、いくら、さば、などなど何種類かのネタがありました。お寿司はもう食べた?ときくと「シーフードがだめだからこれしか食べられない」と指さしたのはたまごのお寿司。
その他にも鶴と亀がセットになっている小さな置物?や携帯電話に貼る風神?のシールなど。彼女が購入してくるものは百円均一ショップで売られているものが多いようなのですが、どれもこれも「こんなもの売ってるの?!何でこれを買おうと思ったの?!」と私たちが驚くものばかり。
ユリ-さんの買い物を通じて私たちも「日本」の小さな再発見を、そして日本という国が彼女の目にどんな風に映っているのかを垣間見た時間でした。

しばらくするとアーティストトークをサポートしてくださる通訳の方がいらっしゃいました。ユリ-さんと通訳の方が打合せを行っている間に機材や座席のセッティングを施し、すべての準備が整ったところで今日の二つめのイベント、アーティストトークが始まりました。
今回のアーティストトークは、彼女がこれまでに行ってきた制作活動・作品の紹介や今回のプロジェクトの概要説明・紹介を通じてのユリー・ケンサク自身の紹介、といった内容のものでした。プロジェクターを使いスライド上映をしながらユリ-さんが英語で紹介をしていき、それを通訳の方が日本語に訳していく。アーティストトークはそのように進められていきました。

本プロジェクト<桃太郎ガールの冒険>について語られる中で「絵の中に描かれている桃太郎ガールは私自身でもあり、想像上の人物でもあります。」というユリ-さんの言葉がとても印象的でした。このスタジオに展示されているモノクロの<桃太郎ガールの冒険>が、これからここ日本でどのように色づきはじめ、どんな色を奏でだすのか。
今後の桃太郎ガールに乞うご期待!です。
(多摩美術大学4年 諸岡智子)