スタジオトーク「石田尚志×祢津悠紀」レポート

《生成する壁》展示が終了し、スタジオの仮設壁が解体される直前の3月10日に、石田さんと、アシスタントとして4ヶ月間ずっと制作に付き添ってきた祢津悠紀さんによるスタジオトークを開催しました。対談は、祢津さんが「壁」そして「水」をテーマとした作品制作に密着して、気づいた事や疑問に思った事に、石田さんが答えながら進みました。

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後半には、このプロジェクトを担当した松永学芸員もトークに参加。「石田さんは普段は一人で制作されていますが、今回、祢津さんという一人の鑑賞者をともないながらの滞在制作はいかがでしたか?」という質問に対し、「絵画を描く時に、線が伸びていく時間体験をもう一度みたくて映像制作を始めたのですが、密室で制作する過程で、時々線を引いていく生々しい時間を撮りきれないこともあります。そんな中、祢津さんは、まさに絶対的なシンボルのような鑑賞者でした。もしこれが写っていなくてもいいやと思えるぐらい、絶対に確実にみてくれている存在があったことは精神的にもすごく救われた気がします。」と石田さんは祢津さんについて語りました。

トークも終盤にさしかかった頃、石田さんは、これから解体される壁について話し始めました。「僕は今日も撮影をしようとしていました。(周りの方に、もう十分だととめられたようですが。)でもそれは、スタジオ自体の成功の証ではないかと思います。このスタジオという空間は、常に途上の状態として進行し続けてきました。だから来るたびにここに新しい線がみえてきます。その連続でした。実は、今も、早く青い絵具を壁に投げていきたい気分です。」
そして、石田さんは、突然席を立ち、横たわる青い壁の方へ行き、表面に広がる青い絵の具を刷毛に含ませ、壁に向かって飛ばし描き始めました。

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↑「制作の途中でもこのような事はたびたびありまして、そういう時は気にしないのが一番です。だんだん絵ができていきますので。皆さん質問ありますか?」と急な展開にも慣れた様子で冷静に進行する祢津さん。

最後に「今回は多くの方にこの空間をみていただいてよかったです。この作品をこれからしっかりまとめて発表しなければならないと思います。」と、石田さんがご挨拶。
そして、祢津さんを呼び出し「この部屋の解体の始まりということで」と...

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仮設壁中央の壁を取り外し、石田さんと祢津さんによる「スタジオトーク」、そしてアートギャラリーでの活動を終了しました。


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↑トーク終了後のスタジオの様子。
この日の夜から翌日かかけて、仮設壁は撤去されました。
石田さん、祢津さん、4ヶ月間の滞在制作おつかれさまでした。