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中高生が書いた戯曲を俳優が演じるスペシャル企画「演劇で美術鑑賞『彫刻との対話から生まれた物語』」を3月29日に開催しました。

 本企画のそもそもの始まりは、2016年夏に開催した当館の中高生プログラム。約5か月にわたるプログラムのなかのひとつとして、演出家の市原幹也さんを講師に迎え、「作品と自分とのおしゃべりを戯曲に書く」というワークショップを行いました。

展示室であらためて高さ3mもある《三島由紀夫》の写真を観察して気が付いたことがあります。背景と人物のパースペクティヴ(遠近法)がずれているようなのです。黒い大木は、画面下端では写真の幅の半分ほどを占めているのに、上端は三島の肩幅くらいに窄まっているのです。高さにしてせいぜい1.5mか、2mに満たない範囲内で、ここまで円錐状に細くなる幹というのはちょっと不自然ではないでしょうか。これはカメラを少し上向きにして撮影した結果、樹木の輪郭にパースがかかったためではないかと思います。それに対して人物は胸のあたりにレンズの中心を合わせて撮影している。つまり、背景はあらかじめ人物抜きで撮影されたと考えられます。

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左:《三島由紀夫》1968年/右:《三島由紀夫》1969年、展示風景

篠山紀信展 学芸員コラム vol.4 「写真は光だよ」

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「篠山紀信展 写真力」が開幕して1ヶ月が経とうとしています。1月28日から、展示室で「学芸員によるギャラリートーク」が始まりました。今回のギャラリートークは、このコラムを執筆している大澤、長谷川、中村が順番に担当し、全3回の予定です。(1月28日は終了、残りは2月11日、2月25日 いずれも土曜日15:00-15:30)

今回は、1月28日のギャラリートークで話題にあげた、篠山紀信さんの写真をとおして見る「写真と光」の関係について書いてみたいと思います。

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篠山さんが、この展覧会の楽しみのひとつは、観る人が作品と対話することだと初日のギャラリートークで語っておられました。かつて見たことのある篠山写真と向き合って、「ああ、この頃はあの彼女とつきあっていたなあ、とか、この写真にはお世話になったなあ、などと思い出してください」。この時会場から(少なくとも苦)笑いがこぼれるかと思ったらそうでもありませんでした。

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「子アト通信」の中でもたびたびご紹介してきましたが、子どものアトリエでは2011年から、布や糸を素材に作品をつくるアーティスト、伊東純子(いとうじゅんこ)さんと共に、重度心身障がいの子どもたちのための遊具を制作しています。

篠山紀信展 学芸員コラム vol.1

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写真家、篠山紀信さんの半世紀にわたる仕事のなかから、芸能、スポーツ、美術、音楽など、さまざまな分野で活躍する「有名人」の肖像を中心に紹介する展覧会「篠山紀信展 写真力 THE PEOPLE by KISHIN」。このコラムでは、本展にまつわる話題や作品の魅力を、3人の担当学芸員がリレー形式でご紹介します。初回は、大澤紗蓉子が担当します。

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1月4日、新春にふさわしいおだやかな天気に恵まれ、横浜美術館の2017年最初の展覧会として「篠山紀信展 写真力 THE PEOPLE by KISHIN」が開幕しました。初日からたくさんのお客様がお越しくださるなか、美術館のグランドギャラリーで篠山紀信さんも出席して開会式が行われました。

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教育プロジェクトでは、横浜市立中学校の美術科の先生方と一緒に、「横浜美術館コレクション」を使った授業づくりを2016年5月よりスタートしました。

今年度、主にご参加いただいているのは9名の先生です。研究会の目標は、作り上げた指導案を、横浜市内にある150校近くの中学校で使ってもらえるよう横浜美術館のウェブサイトで公開し、先生方の授業づくりの参考にしてもらうことです。

教育プロジェクトのスタッフも、中学校の先生方とこのように協働するのは初めてのこと。互いに力を合わせて、生徒たちにとって意義のある指導案を作り上げるべく、5月から模索の日々が始まりました。

t1.jpg5月の第一回研究会での作品選定の様子。全部で18件の候補作品から、4件の作品を選びだしました。