季節のご挨拶

2017年は酉年。皆様にとって、空にはばたく鳥のように飛躍の年となりますように 。

横浜美術館は写真の展覧会で新しい年が始まります。「篠山紀信展 写真力 THE PEOPLE by KISHIN」は英語のタイトル「THE PEOPLE by KISHIN」が示すように、時代のアイコンや市井の人々の姿を通して、篠山氏の独特な視点で時代を切り取ります。そして今回はコレクション展もすべて写真。1989年の開館以来、収集の柱のひとつに写真を掲げてきた横浜美術館ならではの、企画展+コレクション展=全館写真展を初めて実現します。

春は公益財団法人 京都服飾文化研究財団との共催で「ファッションとアート 麗しき東西交流」を開催します。開港後の近代化の波は国内の洋装化を推進させましたが、同時に海外の服飾やアートにも日本の美意識が深く浸透しました。当館では初めてファッションをとりあげ、東西の相互交流を読み解きます。
夏・秋は横浜トリエンナーレの季節到来です。第6回となる今回のタイトルは「島と星座とガラパゴス」。島のように孤立しているバラバラなものを、星座のような想像力を持って、ガラパゴスに象徴される多様性へ導き、未来へとつなぐ。今年のテーマは「孤立」と「接続」です。
冬の「石内都 肌理と写真」は、初期作品から〈フリーダ・カーロ〉〈ひろしま〉まで未公開の作品も含めた包括的な個展です。建物や皮膚そして着るものなどに残された生の軌跡と記憶を呼び覚ます彼女の世界観をご堪能ください。
「子どものアトリエ」「市民のアトリエ」「教育プロジェクト」それぞれのチームは、通年の事業とともに、学校連携活動、ボランティア活動、アウトリーチ活動など、今年も多彩なプログラムを推進いたします。11万冊の図書資料を誇る美術情報センターもレストラン側やギャラリーからの導線サインを改善し利用しやすくいたしました。
横浜美術館の3つの方針、「みる」「つくる」「まなぶ」に根差した多様な事業を通して、今年も皆様に「美術の醍醐味」をお届けいたします。

2017年1月
横浜美術館館長 逢坂恵理子

横浜美術館館長 逢坂恵理子

Photo: Ken KATO